DEAD POP FESTiVAL 2026 2日目も後半戦に差し掛かろうというCHAOS STAGE。次に登場するのは札幌からの刺客、HIKAGE。満を持しての初出演だ。「みんなでリハーサルやろうぜ!」とGEN(Vo)が言い放ち、爆音のアンサンブルに身体が反応したオーディエンスが次々にCAVE STAGEから集まってくる。気づけば、CHAOS STAGEの後方まで人がギッシリ! HIKAGEへの期待度がそこに現れていた。


ライブがスタートするやいなや、いきなりウォール・オブ・デスを誘うGEN。「お前ら、俺にCHAOS STAGEを教えてくれよ!」という挑発から「傷」の演奏が始まると同時に、2つに割れたオーディエンスがモッシュを繰り広げ、いきなりもみくちゃの大混乱状態に! そんなピットを見てWataru(Ba)がフロアに降りて演奏するなど、HIKAGEいきなりの120%フルスロットルだ。イントロのベースラインで身体を揺らしたくなる「CALLING」ではCHAOS STAGE全体がジャンプしまくり、サビでクラウドサーフ。楽器隊がステージを所狭しと動き回る中央で、スタンドマイクをしっかりと握りしめて歌い上げるGENの姿に覇気を感じる。
「新曲やります」と「raw」。こちら、実に攻めまくる攻撃力抜群の楽曲なのだが、ブレイクビーツに合わせてモッシュにダンス、走るビートに合わせてGENが「飛んでこい!」と叫べば一斉にリフトが上がってクラウドサーフの波に。矢継ぎ早に届けられた3曲によってフロアは完全な混沌状態。DEAD POP初出演とは思えないほどの貫禄とCHAOS STAGEとのシンクロ率だ。見事過ぎる。


MCでは、DEAD POPとHIKAGEとの関係性について語られた。「3年くらい前から遊びに来ていて、打ち上げに参加した帰りにMAHさんに“DEAD POPでかませるように準備しておくのでよろしくお願いします”って挨拶したんだよ。そしたら(時間をおいて)MAHさんから“次はHIKAGEの番だと思う”って連絡をもらって」とGEN。この話にフロアから歓声と拍手が上がる。


「バンド主催のフェスはこういうのがあるから最高なんだよ。夢がある」とDEAD POPへの思いを述べていたが、まさにGENの言う通りだろう。SiMやDEAD POPと出演するバンドの間にたしかな絆と物語があるからこそ、この場に遊びに来ている人はジャンル関係なく、どんなアーティストがステージに立っていても全力でモッシュとダイブをすることができるのだ。

すっかりHIKAGEの熱に食らったフロアへ届けられたのは「YAIBA」。曲終盤のパートでは、冒頭のピットを上回る巨大なサークルが出来上がり、その間をモッシャーがガンガン暴れまくる。次曲「Before Sunrise」では、Yasui(Gt)は右へ左へ立ち位置を変えながらガンガン煽る姿勢でギターをかき鳴らし、GENは再びフロアへ降り立って「足りねぇ!」とシンガロングを煽り続ける。それにピッタリと呼応するCHAOS STAGE。異様な盛り上がりだ。
続く「tiny flower」は現在のHIKAGEの真骨頂とも言える楽曲。シューゲイズ的なギターの音色にしっかりと歌い上げるメロディの調和が美しく、オーディエンスもそこに手を差し伸べて音の波に乗っていた。ラストはGENの訴えかけるようなシャウトから始まり、ブラストビートに合わせて荘厳な展開を見せる「human.」。この曲の演奏中、GENはずっとフロアで歌い続け、叙情的なギターのメロディと雄大なメロディが絡み合う後半のパートでは、本来は静かに聴き入ってしまいそうなのだが、フロアに立つGENに向かっていくダイバーが止まらない。その光景にどこか異常な熱量を感じたのは自分だけではないはず。

圧倒的なライブで見せつけたのは、HIKAGEをはじめ、この前にCHAOS STAGEに出演したGood Grief、See You Smileといった次世代のバンドが確かな実力を身につけているという事実。HIKAGEというバンドが持つ魅力と強さをDEAD POPに見せつけ、颯爽とステージを去っていった。
さて、新曲と紹介された「raw」と「tiny flower」、「human.」が収録されているHIKAGEのニューEP『human.』の全国15ヶ所を巡るツアーが来週4月10日からスタートする。このライブでHIKAGEを知った人、食らった人は絶対にツアーへ参加すべし。
<セットリスト>
01. 傷
02. CALLING
03. raw
04. YAIBA
05. Before Sunrise
06. Introduction
07. tiny flower
08. human.
文:田島諒
写真:かわどう

