HAWAIIAN6がDPFで鳴らす喜怒哀楽、そして祈り

  • 2026年4月4日
  • 0404
  • HAWAIIAN6

初めてのDPFを体験したHAWAIIAN6のHATANO(Dr)は、「お前たち、すげえな。いいやつらだな。こんな雨風が吹いても楽しそうにやってんだもんな。これがSiMがずっとやってきたことなんだろ」と言った。これがSiMがずっとやってきたことなら、HAWAIIAN6がやってきたことはーー。それを見せる30分(とその前のサウンドチェック)が始まる。

「サウンドチェックやるぞ〜」とふらりと声をかけて「THE LIGHTNING」を始めれば、すでにここまででアツアツに出来上がっているフロアはさっそくモッシュにクラウドサーフにと大盛り上がり。ステージダイブまで起こる始末だ。そしてHATANOは「いいな。DEAD POPだからってお行儀いいわけじゃないんだな」とDPFの温度を確かめる。オッケー、“出来る”フロアです。そんなフロアへの挨拶は「ステージの上でお待ちしております」。

HAWAIIAN6の手にかかれば、強い風はYUTA(Gt)の長い髪を怪しげに揺らす演出になり、ぽつぽつと落ちる雨粒は涙を隠す小道具になる。そして<your road is shining>。これがHAWAIIAN6の「MAGIC」だ。

「BURN」「HAZE」を続けて切なさを増していくライブ。HATANOの刻む2ビートは命を削るような切迫感を持ち、YUTAとGURE(Ba)の絡み合うボーカルは感情を切なく染めていく。「DEAD POPに愛を込めて」との言葉から続けられた「A LOVE SONG」が始まれば、それは大きな愛に変わる。メロディックパンクとは、喜怒哀楽だけでは表現できない感情を表すための音楽なのだと思わせられる。一つ一つが胸に迫る。その感情の昂りが、フロアに大きなサークルピットを生み出し、絶え間ないクラウドサーフとなっていく。ここで冒頭のMCというわけだ。

「俺らは普段、横須賀にあるかぼちゃ屋とか、横浜F.A.Dとかそういうライブハウスでよくやっていて、こんな(広い)ところでやるのは珍しい」と、自分たちを紹介したHATANOは、だからこそ、伝えたいことがあるという。「バンドが車に乗ってツアーに行く理由ってなんなのかって、あんまり考えねえだろ? あなたたちの街にある、あなたたちの大好きなライブハウスで、あなたたちに会いに行くんだ」。全国のライブハウスでHAWAIIAN6がやっているのは、終わらない青春の他を歌うこと、“暗い地下室みたいな”ライブハウスに虹をかけること、大事な人と約束を交わすこと。

「I BELIEVE」でYUTAが指差した空を、ちょうど飛行機が通りかかる。この曲の前に言っていたHATANOの言葉が思いだされる。「俺が今こうやってわあわあやってる裏でさ、世界中で戦争をしてる。つまり俺たちはその裏でこれをやってるわけだな」。自分の未来も、日本の未来も、世界中の未来も、明るくなりますように。HAWAIIAN6の音楽に祈りも乗せて。HAWAIIAN6がやっているのは、こうして全国で感情を分かち合うことなのだろう。

<セットリスト>
1. MAGIC
2. BURN
3. HAZE
4. A LOVE SONG
5. ETERNAL WISH TWINKLE STAR
6. RAINBOW
7. PROMISE
8. I BELIEVE

文:小林千絵
写真:半田安政