雨上がりの東扇島、鳴り止まぬシンガロングにみんなの笑顔があふれたdustbox

  • 2026年4月4日
  • 0404
  • dustbox

会場の東扇島では、スタートから降ったり止んだりの雨が、激しいライブの熱を程よく冷ましてくれる。だが、その雨も気がつけば、Fear, and Loathing in Las Vegasのライブの途中には上がっていた。オーディエンスの胸には、これから始まるライブへの期待がどんどん膨らみ、ステージ前のフロアには自然と楽しげな表情が広がっている。本番さながらのリハーサルを終え、SEとともにメンバーが登場。SUGA(Vo&Gt)はSiMのTシャツ姿だ。JOJI(Ba&Cho)が「晴れてきてんじゃねぇか!」と話した通り、空にはうっすらと太陽の光が差し込んでいる。「DEAD POPいくぜ。さあ来い!」というSUGAの声が空へ伸びると、歓声が一斉に跳ね返り、会場の空気は一気にざわめきと熱を帯びていく。2018年以来、6年ぶりの出演となったdustboxのライブがスタートする。

その幕開けを告げたのは「Right Now」。1曲目からフロアに火が灯り、今この瞬間がライブだという感覚を一気に引き寄せる。続く「Emotions」のサビでは、ダイバーがステージ前方にあふれ、エモーショナルかつスピーディなナンバーがオーディエンスの体温をさらに引き上げていく。すでに楽しさは全開だ。SUGAが「SiMが用意してくれたDEAD POP。思い切り遊ばないと失礼だよね」と語り披露されたのは「Resistance」。この曲でも冒頭からダイバーが続出し、出だし3曲で早くもdustboxの世界が完成していく。ベテランとしての余裕と、目の前の瞬間を全力で楽しむエネルギーが見事に共存している。

オーディエンスは無理にぶつかり合うのではなく、リズムに体を委ねて自然に揺れ、手拍子を重ねる。音の隙間から笑顔が生まれ、視線を交わすことで共鳴が広がっていく。続いての「Bitter Sweet」では、今日が誕生日だというJOJIのお願いをきっかけにスタート。キャッチーで聴かせるナンバーに合わせて、フロア全体がひとつになっていく。ここで、これまで顔を見せなかった太陽が完全に姿を現し、心と体をやさしく温めてくれる。そんな晴れ渡る空の下で披露されたのは、「Here Comes A Miracle」。まさにミラクルな太陽の出現とシンガロングが響く中、その光を受けて金髪のダイバーの髪が輝き、観客の笑顔もまたきらめく。そのあまりにも美しい光景に、思わず涙がこぼれそうになる。

さらにギアを上げた「Riot」から「Hurdle Race」へとなだれ込むと、ウォール・オブ・デスが発生。喜びも悲しみもすべてをごちゃ混ぜにしながら、さまざまな感情が空へと突き上げられていく。もはや多くの言葉は必要ない。dustboxの音は、言葉以上に感情を伝えてくれる。「Riot」のラストでは、アンドリュー(@andrew_n_f)が乱入してシャウト。一瞬の出来事だったが、会場のテンションをさらに押し上げた。

ラストを飾ったのは「Jupiter」。SUGAが何度も「ありがとう」を挟みながら届けたこの曲で、全9曲のステージは駆け抜けるように幕を閉じた。観客の体温、汗、笑顔、そして声が混ざり合った空気は、彼らしい清々しさを帯びていた。SUGAとJOJIの柔らかな表情は、その熱量とともにオーディエンスひとりひとりの胸にしっかりと刻まれたはずだ。今やSNSの再生回数や数字が話題になる時代。しかし、そうした数だけではこのライブの温度は決して伝わらない。本当に大切なのは、目の前の人と音楽でつながること。この日、dustboxが見せてくれたのは、まさにその瞬間だった。画面や数字では測れない、音と体、空気と感情が交差する生の体験。DEAD POP FESTiVALに流れた奇跡のような時間は、きっと誰の胸にも鮮烈に残っただろう。

ちなみにCHAOS STAGEのラストで、再び彼らと出会えることをご存じだろうか。そう、しけもくロッカーズにはdustboxのメンバーも参加している。その音は、dustboxとはまた違う表情を見せてくれるはずだ。ざわ……ざわ……ざわ……。

<セットリスト>
1. Right Now
2. Emotions
3. Resistance
4. Bitter Sweet
5. Here Comes A Miracle
6. Riot
7. Hurdle Race
8. Wall Of ice
9. Jupiter

文:相沢修一
写真:半田安政