「雨も止んでるし、ぶちかまそうぜ!」とSo(Vo)が大きな声を上げ、有言実行とばかりにド頭の「Return to Zero」から地面を揺るがすサウンドを轟かせたのがFear, and Loathing in Las Vegasだ。銃弾のようなMinami(Vo&Key)のシャウト、高揚感を生み出すメロウさを持つSoの歌声もいい。Taiki(Gt)とTetsuya(Ba)は自在にポジションをチェンジし、頭を振り乱して弾き倒し、揺るぎない土台となるリズムを叩き出すTomonoriも頼もしさも流石。いつでもどこでも、どんな状況でもリミッターを振り切れるのが彼らの凄みと言っていいだろう。


詳細な言葉はわからなくとも気持ちがガツンと伝わるSoの呼びかけから、オーディエンスが大ジャンプを繰り返してスタートしたのが「Fist for the New Era」。気だるさが漂うメロや叙情的なシャウトも胸を打ち、描かれるサウンドスケープの美しさはまさに絶景。いやはや、序盤から絶好調である。
「いい感じやな」と口にしつつ、「死ぬ気で盛り上げて、踊らせて、笑わせる」と宣言し、やりきることでもっともっと人生を輝かせよう、とSoが語りかけて放ったのが異空間に連れ去ってくれる複雑怪奇さを持つ「Until You Die Out」。貫く信念の重要さを歌った曲であり、彼らそのものを具現化したような曲でもある。Fear, and Loathing in Las Vegasというバンドは呼びかけ、誘い、時に導くように胸を張るが、まずはその前に自らがそのスタンスを示してくれる。楽曲でもライヴでも、無駄な余白は残さない。とにかくすべてを使い切ろうとする。もちろん、この日もそう。だからこそ生み出せる一体感があるのだ。


Minamiが客席へ乗り込んでゼロ距離で攻め立てた「Crossover」、フロント4人が所狭しと走り回り、その躍動感も凄まじかった「Twilight」と常にステージから目が話せない状況が続き、Soが「SiMにプレッシャーをかけたい」と口にしてからドロップした「Virtue and Vice」は思わず笑ってしまうぐらいの大盛況。見渡す限りのオーディエンスがたけのこニョッキとヘドバンを繰り返す大豊作。せっかくのDEAD POP、バカになった方が絶対に勝ちだ。どデカいコールも起こり、限界スレスレまで必死に声を張り上げるSoの姿も印象的だった。


締め括りとしては、壮大なメロディーが広がる中、檄を飛ばすようなシャウトが鮮烈な「Luck Will Be There」。困難を乗り越え、その先に輝く未来へと向かおうと呼びかける。これでもか、と前へ前へと踏み込み、もう曲が終わるというタイミングにも関わらず、客席へ乗り込んだMinamiはそのままオーディエンスの頭上で絶叫し続けていく。全力でフルスイングだけを繰り返す、彼ららしい光景であった。

<セットリスト>
1. Return to Zero
2. Fist for the New Era
3. Until You Die Out
4. Crossover
5. Twilight
6. Virtue and Vice
7. Luck Will Be There
文:ヤコウリュウジ
写真:鈴木公平

