泥なんてなんだい、と少しばかり雨足は強くなったものの、だからどうしたと言わんばかりの熱狂を生み出したのがHEY-SMITHだ。悪天候なんて何のその、通常運転というか、いつも以上の踏み込み具合。曲の前にちょっとした言葉は挟むが、それ以外はMCらしいモノはなく、「行こうぜ、DEAD POP!」と猪狩秀平(Gt&Vo)が声を上げてスタートした「Living In My Skin」から最後までほぼノンストップ。ステージ上から発せられるエネルギーも半端ではない。

そうくるならば、と当然オーディエンスも大歓迎しながら爆発しまくり。雨雲を突き破るYUJI(Ba&Vo)の歌声もたまらない「I’m In Dream」、「めちゃめちゃ雨降ってるやんけ! お前ら、諦めろ!」と猪狩の最高なアジテートから放った「Be The One」と続く中、ダイバーもひっきりなしに飛び交い、客席から大コーラスも響かせる。


ここで数えたら14回目の出演、セトリに頭を悩ませたと猪狩が口にし、何がくるのかと構えていたら、驚くことにどこでもやったことがないという新曲が登場。オーディエンスも初めて触れるわけだが、速さと大きさを兼ね備えた曲であり、インパクトも強烈。ウソみたいな凄い盛り上がりを見せるのだ。バンドとして、そして曲としての力も改めて見せつけてくれる。

ホーン隊が奏でた音に大きな歓声が起こった「Inside Of Me」では、ここできたか、と喜びを爆発させ、踊りまくるオーディエンスの姿が痛快。しかしながら、歌がないサビ、いわゆるドロップでこれだけ踊らせるロックバンドはなかなかいない。彼らがモンスターバンドである、と知らしめる1曲でもあったように思う。

「覚悟を決めてきたんやろ! 歌え! 踊れ! 騒げ!」とオーディエンスの背中を押すパンチラインを猪狩が叫び、さらに勢いを増した「Into The Soul」、イイカワケン(Tp)、満(Sax)、Task-n(Dr)の見せ場を経て突入した「Drug Free Japan」、そこから間髪入れずに最高のタイム感でつなげた「Endless Sorrow」と中盤戦も揺るぎない流れ。客席はモッシュ、ダイブ、形にハマらないオリジナルな踊りが広がっていく最高な景色だ。

まだまだ畳み掛けると放った「Over」、オーディエンスが掲げるハートマークとクラップと共に愛らしいメロディーが広がった「The First Love Song」、ヘッドバンキングから高速スカダンスに絶叫というフルコースが起こった「We sing our song」と突っ走り、最終盤は猪狩の盛大なカウントから皆々で大ジャンプを決めた「Free Your Mind」から代表曲のひとつにもなった「Say My Name」を投下し、ラストはさらなるカオスを求めるように一気に駆け抜ける「Come back my dog」。雨や肌寒さなど圧倒的に吹き飛ばす、流石と言わざるを得ないパフォーマンスだった。
<セットリスト>
01.Living In My Skin
02.I’m In Dream
03.Be The One
04.新曲
05.Inside Of Me
06.Into The Soul
07.Drug Free Japan
08.Endless Sorrow
09.Over
10.The First Love Song
11.We sing our song
12.Free Your Mind
13.Say My Name
14.Come back my dog
文:ヤコウリュウジ
写真:鈴木公平

