「アイドルって最高だ!」PassCodeが轟音と共に見せたアイドルとしての矜持

  • 2026年4月4日
  • 0404
  • PassCode

サウンドチェックのためにメンバーがステージに登場すると同時に、バンドからDPFファンお馴染みのイントロが。SiMの「Killing Me」だ。狼煙を上げるように有馬えみりがデスボイスを噴射。ここで「おっ」と思った人も多いだろう。かわいらしい見た目からは想像もつかないシャウトで、観客を次々にCHAOS STAGEに呼び込む。そして1番を歌い終えると、何食わぬ顔で「本番も楽しんでいきましょう」と捌けていった。

雨で始まった今年のDPFだが、PassCodeが始まる頃に雨は小休止し、空も少し明るくなる。天気も味方につけて、さぁ、PassCodeがDPFにお出ましだ。「Killing Me」で温めたCHAOS STAGEに改めて登場した4人は「DESTINEX」で幕開け。猛者たちの集う轟音の祭典へ、<どこへだっていざ踏み出してゆこう>と堂々とやってくると、ハードなデジタルコアチューンに乗せ、しなやかに舞い踊りながら、南菜生の熱を内包した歌声、高嶋楓の柔らかさとかわいらしさを持ち合わせた歌声、大上陽奈子の透き通ったまっすぐな歌声、そして空気を一瞬で変える有馬のデスボイス&シャウトの応酬でライブを進めていく。「GROUNDSWELL」では南のキュートな声を合図にフロアがパカっと開いてウォールオブデスが生まれ、PassCode流のパーティチューン「AWANE」では「パーパパラパパ」という祭囃子が響き渡る。そう、フロアの遊び方はバンドと一緒。たくさん集まったハッカー(※PassCodeのファンネーム)はもちろん、この日初めてPassCodeを見た人も、PassCodeから生み出されるサウンドスケープに魅了されて、あっという間にフロアはカオスになった。

楽曲はラウドロックなわけだが、彼女たちのステージングは、バンドマンのように髪を振り乱したり、乱暴に暴れ回ったりするわけではない。かわいい衣装の裾や袖をひらりとさせ、ツインテールやポニーテールを軽やかに揺らし、指先から足先まで神経を研ぎ澄ませ、さらには4人のフォーメーションも活かしながら、たおやかに、しなやかにラウドロックを表現していくのだ。これらの楽曲を軽やかに届けるために必要な実力を持ちあわせているのは言わずもがな。楽曲の持つルーツにリスペクトを抱き、そのうえでアイドルのPassCodeだからこそできること、いや、PassCodeにしかできないステージを見せていく。事前アンケートページで、この日に向けた意気込みを「SiMがPassCodeをDPFに呼んでくれた意味をライブで証明します」と語っていたが、まさに自分たちのスタイルに信念と矜持を持ち、凜とステージに立つ。その姿こそが、PassCodeがDPFに呼ばれた理由ではないだろうか。

ほぼMCなしでぶっ飛ばすなか「Clouds Across The Moon」の前に一度挟んだMC。「2017年、京都大作戦でMAHさんが言っていたんだよ。次はお前の番だって。だからぶっ飛ばしてきた。歩いてきた。自分たちの道を信じてた。そしたらここに辿り着いたよ」。彼女たちもまた、MAHの言葉やSiMの姿に導かれて、ここにやってきたのだ。そうして最後にこう言うのだった。

「『なんでアイドル?』って思っただろ? アイドルって最高だ!」

<セットリスト>
1.DESTINEX
2.GROUNDSWELL
3.Ray
4.FLAVOR OF BLUE
5.AWANE
6.Clouds Across The Moon

文:小林千絵
写真:半田安政