噛みついて食いちぎるような曲の嵐で公言した通り、CAVE STAGEをカオティックへ落とし込んだのがcoldrainだ。エッジの効きすぎなポストハードコア的ショートチューン「VENA」を叩きつけ、永遠の進化を求めて邪念を切り裂く「EVOLVE」、Masato(Vo)の「DEAD POPの中心はどこですか?」という問いかけとタイトルコールで会場中が湧き立ち、オーディエンスが「ここだ!」と表明するように巨大なサークルを形成した「F.T.T.T」と大攻勢をかけていく。やる気がみなぎっているのがありありと伝わってくる幕開けだ。
「coldrainはギターソロでもサークルピット!」というMasatoの発言もあったが、当たり前やスタンダードをなぞるのはつまらない。当然、決まりきった盛り上がりなど排除していくのがライヴバンドであり、結託するオーディエンスの流儀。「CUT ME」や「24-7」では自然とどデカいスペースができ、愛あるウォール・オブ・デスや大ジャンプが常に発生。熱狂がどこまでも加速していく。
ここで少しだけ間を開けて、ゆっくりと話し出すMasato。この日の選曲、DEAD POP仕様という激しい流れだとは感じていたが、実はそんな単純な話ではなかった。今年のDEAD POP FESTiVALへ向けたMasatoの「遂に灼熱じゃない時間帯。言わなくても分かってますよね。地獄にします。」というコメントを受け、「こういうことですよね?」とファンから送られてきたセットリストをそのままプレイしていると明かす。長年、ファンと現場で築いてきた信頼関係がひとつ形になったとも言えるのだが、振り返ってみれば、Y.K.C(Gt)、Sugi(Gt)、RxYxO(Ba)、Katsuma(Dr)が持ち場につき、少し遅れて登場したMasato(Vo)が不敵な笑みを浮かべていたようにも見えた。あぁ、そういうことだったのか。粋な計らいにもほどがあるだろ、coldrain。
そして、そこからこの最高潮を新たなスタートラインにするように響かせた「NEW DAWN」から始まった終盤戦も、Masatoが「次からセットリストを送るときは休憩も書いといて」とこぼす場面もあったほど、エグさ連発。「MAYDAY」にはその勢いにピタッと照準を合わせたRyo(KNOSIS)が加わり、まさしく灼熱のステージ。Masatoに「またマイク壊すなよ」と言われつつも、そんなことはおかまいなしだと客席へ突っ込むRyo。振り切るのがマナーだというスタイルはやはりアガるし、最高だ。
ラストは「呼んだことねえヤツ、呼びます」との言葉から登場した花冷え。のユキナと共に「THE REVELATION」を豪快にぶちかます。Masatoとユキナのツインバズーカは全部を吹き飛ばす破壊力を誇り、そんな爆音を全身で浴びながら<Revelation>と大合唱するオーディエンス。1曲1曲繰り出されるたびに新記録が塗り替えられる様はとても痛快だった。
<セットリスト>
01.VENA
02.EVOLVE
03.F.T.T.T
04.CUT ME
05.24-7
06.NEW DAWN
07.MAYDAY feat. RYO(KNOSIS)
08.THE REVELATION feat. ユキナ(花冷え。)
文:ヤコウリュウジ
写真:鈴木公平