「DEAD POP FESTiVAL」にJapanese Super Perfect Band・KOTORIが参上！ 初出演でありながら、前のめりになるわけでもなく、必要以上に意気込むでもなく、「じっくり立ち上げましょう」と自らのペースでライブを始める。横山優也（Vo/ Gt）と上坂仁志（Gt,/Cho）のギター、佐藤知己（Ba）のベースが美しく絡み合い、静かに「RED」から。「太陽が高い真っ昼間、お昼の12時に夕陽を!?」と思いそうになって、ふと気づく。この曲は、夢を叶えようと奔走しながら、故郷に思いを馳せる歌なのだ。そうか、彼らには自分たちの“RED”があるから、初出演のイベントでもどっしりと構えられていられるのだ。横山の声が少しずつ力強くなり、演奏も少しずつ熱を帯びていく。気持ちの高まりと共に、テンポと演奏のテンションを上げていくと、沸々としていたフロアも爆発。さらに横山が「遊ぼう！」と声をかけてみずみずしい「FOREVER YOUNG」を続ければ、CHAOS STAGEはすっかりKOTORIの遊び場になる。「涼しくなるような、一番天使っぽい曲やります」と「トーキョーナイトダイブ」が選曲されれば、丁寧に描かれた夜の情景と、心細い夜に寄り添ってくれる優しさで、燦々と太陽が照りつける東扇島東公園にそっと天使を舞い降ろした。
初めてやってきた「DEAD POP FESTiVAL」について、横山が「見ればわかります、お客さんがやべえ！」と称えたあと、「最高の遊び方をして、SiMにとんでもない姿を見せたいです」とフロアに共闘を求めて繰り出したのは「Masterpiece」。フロアには大きなシンガロングが広がり、まさにKOTORIなりの最高の遊び方でその輪をどんどん広げていく。続く「素晴らしい世界」ではサビ以外も横山がシンガロングを煽り、初出演とは思えないほど大きな歌声が響き渡った。
冒頭で「初出演でありながら、前のめりになるわけでもなく、必要以上に意気込むでもなく」と書いたが、ここで横山が「CHAOS STAGEなんですよね？ CHAOS STAGE見せてもらってもいいですか？」「ぶち上げろ！」と焚き付ける。そして軽快なビートと共に「乾杯〜！」と声を上げ「GOLD」へ。曲中、美しいアルペジオが響き渡ったところで、なんと横山がフロアをかっ開く。そう、ウォールオブデスだ。何を隠そう、事前公開されたDPF2025へ向けてのコメントに、横山は「美しいアルペジオでウォールオブデス起こしてみたいです！」と書いていたのだ。その言葉通り、アルペジオで開いた“ウォール”は、豊潤なアンサンブルと共に高まりぶつかり合う。そんなフロアを見てうれしそうなKOTORIメンバーも爆発して、最後に「遠き山に陽は落ちて」を滑り込ませる。彼らの夕日と共に30分を描いて、初のDEAD POP FESTiVALのステージを降りた。
美しいアルペジオでウォールオブデスを起こした「GOLD」で彼らはこう歌っている。
「いつかこんな夜が宝物になる日が来るだろう」
＜セットリスト＞
01.RED
02.FOREVER YOUNG
03.秘密
04.トーキョーナイトダイブ
05.Masterpiece
06.素晴らしい世界
07.GOLD
08.遠き山に陽は落ちて
文：小林千絵
写真：かわどう