今年20周年を迎え、現在『20th Anniversary Tour BRAND NEW OLD SHIT』を回っているSHANK。1月にドラマーのメンバーチェンジを経て、「(SiMは新生SHANKを)今日、初めて観ると思う」とのこと。そんなSiMの期待を絶対に裏切りたくない、と心に決めた庵原将平(Vo/Ba)は、このDEAD POP FESTiVAL 2024のステージへ向けて、ケツ毛を脱毛してきた。
――ということもあって、「幾分、身体が軽いです」という本人の言葉通り、いつにも増して軽快で心地よいパンクロックショウが展開された。もう最高でしかない。SHANKしか勝たん。
SHANKのライブを野外フェスで観ると「ああ、夏始まったな」と気持ちよくなる。東扇島東公園という海沿いのロケーションもあって、このまま釣りにでも出かけたくなる気持ちになる。これが山人音楽祭だったらキャンプでもして焚き火をしたくなるかもしれない。
そんな感じで、数百人キャパのライブハウスで観るSHANKも最高なのだが、DEAD POP FESTiVALのSHANKは解放感があって、<今から始まるぜ>感を強く感じさせられる。それは5曲目に演奏された「Weather is Beautiful」や8曲目の「Wake Up Call」が醸す祝福感がそう思わせるのかもしれない。
思えば、そんな多幸感はリハの段階から流れていて、1曲目の「Surface」で持ち上がった大量のリフトが、続く「Restart」で一気にクラウドサーフへ変貌する光景をみるに、この場にいた誰もが幸福な気持ちでSHANKのライブを受け止めていたのだと思う。
一方のSHANKは言わずもがな、いつも通り。1つ前にCAVE STAGEに出演したDizzy Sunfistの流れを引き継ぎ「アゲー!(苦笑)」とMCしながらも、次々にバンドを代表する楽曲を投げかけていった。「Life is…」、「620」に「Take Me Back」などレゲエやスカ調の楽曲をセットリストに数多く取り入れていたのもDEAD POP FESTiVALならではだろう。
この日、気合いが入りすぎていたDPFオーディエンスは曲が終わってもクラウドサーフを止めない、というセキュリティも真っ青の盛り上がりを見せつけ、その光景に「なんしよっと、あんたたち(笑)」と将平。特に終盤の「Set the fire」のイントロと同時に膨大な数のリフトが持ち上がった様相を見て、呆れるように「バカばっかだ全く」と笑いかけた将平だが、Awichの「洗脳」からサンプリングしたワードをMCに持ってくるあたり(かどうか、本当のところはわかりませんよ!)、DEAD POP FESTiVAL 2024への愛を存分に感じさせるライブであった。ラストは「submarine」でバッとクラウドサーフを生み出して終了。
SHANKのステージはフェスであろうとどこであろうと数百人規模のライブハウスで行われているライブそのものであるのだが、やはりDEAD POP FESTiVALで観るSHANKは格別だ。この場でしか見られない笑顔溢れるパンクロックショウであった。
ちなみに、SHANK終演後も無音の中でクラウドサーフはしばらく続いた。
ちょっと、みんな飛ばしすぎぃぃぃ!
<セットリスト>
- Surface
- Restart
- Life is…
- 620
- Weather is Beautiful
- Take Me Back
- Good Night Darling
- Wake Up Call
- Set the fire
- Extreme
- Cigar Store
- submarine
文:田島諒
写真:かわどう