DPFという最高なライブハウスをもみくちゃにしたThe BONEZ

  • 2023年6月25日
  • 0625

今回のラインナップについて、“解”のタイミングであることからライブハウスでのパフォーマンスに重きを置いたと昨日、MAHはステージで話をしていた。この日CHAOS STAGEに登場したThe BONEZは、現在10周年を記念した47都道府県ツアー中(その名も「47 AREAS」)。まさにライブハウスでのパフォーマンスに脂が乗っているどころの話じゃない。もうベッタベタのギットギト、仕上がりまくりなわけで。

サウンドチェックの時点で、フロアからは拳がつきあがっており、こちらも仕上がっている様子。いざ開演時間を迎えると、威勢の良いZAX(Dr)のドラムにあわせて、「オイ!オイ!」の声も湧き上がり、ライブは最新アルバム『Yours』収録の「Love Song」「Rusted Car」の連投からスタートした。「Rusted Car」は2021年の夏という、コロナ禍真っ只中にリリースされた楽曲だが、シャウトあり、シンガロングありと、コロコロと様相の変わるライブハウスで遊ぶにはもってこいの1曲。双方のテンションは一気に最高潮だ。

しかしまだまだ足りないとばかりに、The BONEZメンバーはここで「クッソ楽しくてしょうがなくするため」にKjを呼び込む。そしてDragon Ashの25周年を祝うトリビュートアルバム『25 – A Tribute To Dragon Ash -』でThe BONEZが参加している「天使ノロック」をドロップ。The BONEZらしい鋭く骨太のサウンドに乗せ、JESSEとKjのボーカル・シャウトを響きわたらせた。

登場した時点ですでに火の付いていたThe BONEZとオーディエンスだが、この盟友コラボを着火剤にさらに火力を増す。「Thread & Needle」ではCAVE STAGEの前方でcoldrainの出番を待っていた観客までもがCHAOS STAGEに向けて手を上げてシンガロング。この熱量のやりとりこそが、ライブバンドの強さであり、面白さだ。「SUNTOWN」ではJESSEが、そんなフロアを見ながら「もしまた行政がここを、遊び場を奪うようなことがあれば先に言っておきます、もう言うことは聞きません!」と宣言。同意の拍手や歓声が鳴り止まないフロアを背に「俺らバンドマンには、俺の背中にいるやつらがいっぱいいるからさ!」と誇らしげに続けた。

そういえば、The BONEZの最新アルバムのタイトルは『Yours』だったな。「お前らのもんだ」ってことだよな。私たちの先頭には、いつもThe BONEZがいてくれるんだ。そしてラストナンバーも、その『Yours』から。ライブハウスが復活することを願ってつくったという「New Original」だ。JESSEが「こんな最高なライブハウス、もみくちゃにする準備できてるか〜?」と焚きつけると、フロア……というか、もはや公園内の至るところにウォール・オブ・デスが発生。そんな様子を、KOKI(Gt)とT$UYO$HI(Ba)もステージ前方まで進んで確認しうれしそうに見つめていた。The BONEZはこの“最高なライブハウス”ことDPFも、まるっともみくちゃにして、また47都道府県ツアーの続きへと進むのだろう。

<セットリスト>
01. Love Song
02. Rusted Car
03. 天使ノロック
04. Thread & Needle
05. SUNTOWN
06. New Original

文:小林千絵
写真:半田安政