4年ぶりのDPF出演となったEGG BRAINは登場するなり「解禁だー！」と咆哮し、その解禁具合を確かめるように、まずはコール＆レスポンスでCHAOS STAGEの様子を伺う。そんな彼らの姿に、解き放つ準備の整ったオーディエンスは盛大に応える。両者の温度が、30度超えの東扇島東公園（！）よりも熱くなったところで、バンドは＜音楽で始めようぜ！＞（和訳）と始まる「MUZIC」で2日目の CHAOS STAGEの幕を開けた。この曲は＜より良き未来への爆音をかき鳴らせ＞＜俺達がやるんだ 俺達の国を救うんだ＞（和訳）と、音楽を力に戦う勇ましいナンバー。JOEY（Vo, Gt）はさっそく沸々としたフロアへ飛び込むと「音楽の力、音楽の可能性を見せてくれー！」と焚き付けていく。さらに「KILLING IN THE MOSH PIT」を続ければ、その名の通りウォールオブデスが発生し、性急な「VITAMIN」を投下すればスカダンスで踊りまくる。朝からCHAOS STAGEは戦闘モード全開だ。
EGG BRAINは、キッズを遊ばせるのはもちろん、自分たちも遊び尽くすのが上手。「SiMがこんなに素敵な遊び場所を作ってくれてるんやから。……わかってるやろ？」とJOEY。「遊び尽くして帰ってちょーだい！」と声をかけてから始まった「YEAH! YEAH!」ではKUN（Ba, Vo）がぴょんぴょんと飛び跳ね、Uchie（Dr）はステージ袖へドラムスティックを投げて返してもらってはと、遊びながら音楽を鳴らしていく。間奏で3人が向き合ってうれしそうに息を合わせている姿を見たときには「バンドって、音楽が好きな人間の集合体なんだよな」と改めて感じてしまったほど。DPFにちなんで「“ポップ死に”しようぜー！」と、まさにポップなナンバーを取り揃えた彼らだからこそ言える煽りで、さらにテンションを引き上げていく彼らは、息のあった3人によるコーラスが心地よい「World」、キラーチューン「SEVENTEEN」と、惜しみなく爽やかなポップパンクチューンが続ける。その爽やかさに、思わずめちゃくちゃ暑いのに清涼感を感じる。これもまた、音楽の力。音楽の可能性。
しかし爽やかな気分で終わらせてなどくれないのもまたEGG BRAIN。「全然違う、こんなんじゃない！」「解禁されてるんやろ？」とJOEYは再び煽り、ラスト「METEOR」で再び熱気に包み、CHAOS STAGEに集まったキッズ達をポップ死にさせていった。
<セットリスト>
01. MUZIC
02. KILLING IN THE MOSH PIT
03. VITAMIN
04. YEAH! YEAH!
05. World
06. SEVENTEEN
07. METEOR
文：小林千絵
写真：半田安政