結成25周年の“ルーキー”・GOOD4NOTHING、デッドポッパーに見せた諦めない姿勢

  • 2023年6月24日
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続いてCHAOS STAGEにやってきたのは大阪・堺のオッサン達ことGOOD4NOTHING。リハの時間を30秒余らせてしまうと、「あと30秒やで」「最高やね~」とオーディエンスと会話しながら、ひさしぶりのDPFの雰囲気を味わう。そして「あと10秒やって」と言うと、自然とフロアからクラップが発生する。この近所の兄ちゃんみたいな親しみやすさと、でもライブは最高に熱いとやる前から期待させてくれる信頼感。これが今年25周年を迎える彼らが、ライブハウスで築いてきたステージとフロアの距離感だ。期待値MAXのクラップで10秒を数えたあと、オッサン達は「FOUND」「IN THIS LIFE」「It’s My Paradise」「STOMPING STEP」といきなりトップスピードで駆け抜けていく。

盛り上がるフロアを見ながらU-tanが「ライブできることって当たり前じゃないねん。めちゃくちゃ楽しい!」と破顔。その真意は、コロナ禍はもちろん、彼らが幾度ものメンバーチェンジを経たことによる実感も大きいところだろう。現在はU-tanVo, Gt)、MAKKINBa, Vo)、そして公式サポートメンバーsasaという3人で活動を行っているGOOD4NOTHING。どんな形であれ、彼らはいつも底抜けに明るくて、たくましくて、頼もしい。

SiMはいつでも力を貸してくれて、俺たちに勇気をくれるバンド。(メンバーチェンジをした)この状態でも呼んでくれたことに感謝しています」とU-tanSiMへの感謝をまっすぐに伝えていたけれど、常に音楽を止めないGOOD4NOTHINGの姿勢に勇気をもらっているバンドやキッズも多いことだろう。「諦めへんかったからこの景色見れてんのや!」と声を弾ませてから、届けられたのは「GET READY」。この曲はコロナ禍でライブハウスが軒並み営業できなかった際に、サウンドエンジニアのAndrewが、自身のレコーディングスタジオ・WAKEFiELDよりライブを配信した企画「WAKEFiELD sessions」で生収録&最速ライブ音源として発表した楽曲。を冠した今年のDPFで、同曲が鳴らされる感慨は計り知れない。同時に、メンバーチェンジやコロナ禍と、様々な困難に遭っては、そのたびに音を止めず、高らかにパンクロックを鳴らし続けてきたGOOD4NOTHINGに改めてリスペクトの念が生まれる。

少し陽が傾き、涼しい風が体を撫で始めた頃に選曲されたのは「Cause You’re Alive」。U-tanの伸びやかなボーカルが風に乗り、暴れすぎたキッズたちの体に心地よく染み渡る。そしてさらに暴れる活力になる。そんなキッズたちに「めちゃくちゃええ顔してるし、ええニオイしてるわ!」と語りかけるU-tan。「今年25周年だけどルーキーの気持ちでやってるんで」と言っていたが、彼らは本当にバンドを組み始めた少年のような輝きを持って、時間いっぱいまでデッドポッパーたちとの時間を楽しんでいった。

<セットリスト>

01. FOUND
02. IN THIS LIFE
03. It’s My Paradise
04. STOMPING STEP
05. GET READY
06. In The Mosh Pit
07. Cause You’re Alive
08. RIGHT NOW
09. One Day I Just
10. Drive or scrap?

文:小林千絵
写真:半田安政