理解あるSiMとセキュリティに拍手! STOMPIN’ BIRD、CHAOS STAGEをライブハウスに

  • 2023年6月24日
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ひさしぶりにSTOMPIN’ BIRD先輩がDPFに参上! ……と感慨深くなる暇もなく、CAVE STAGEでの04 Limited Sazabysのステージが終わると、インターバルの5分を待たずにYASUが「もう準備できちゃったんですよ」と一言。「この時間、リハを兼ねて1曲やるのかな」などと思っているオーディエンスの斜め上を行くのがSTOMPIN’ BIRD先輩なんですよね。「セキュリティの人を休ませたいから」と言うと……なんと、通常、セキュリティスタッフがダイバーをさばくステージとフロア最前列柵の間に、オーディエンスを入れちゃった!(一応、その場で許可取ってましたよ)「ライブハウスだとステージとフロアの間、こんなに空いてないから」なんて言っていたけど、SiMのフェスでこんなことできるの、STOMPIN’ BIRD先輩だけっすよ、本当。

「ジジイ・ババアの実力見せる時が来たぞ!」とオーディンエスを焚きつけていざ、TOMVo, Gt)のボーカルから始まる「Brave Song」をドロップ。えっ、ここ、横浜FADでしたっけ? それとも横須賀かぼちゃ屋でしたっけ? いいえ、DEAD POP FESTiVALです! フロアとステージの境目はもはやなく、ぐっちゃぐちゃ。だけどステージのTOMYASUBa, Vo)、HOLYDr, Cho)のトライアングルは一切乱れることなく、「I Love Me」で踊らせ、「Now or Never」では拳が突き上がり、最新作「Sing Along EP」収録のショートチューン「Reward Time」も叩きつけるなど、盤石なロックチューンが次々と投下されていく。文字通りカオスのCHAOS STAGEを見ながらYASUが「たぶん来年からは呼ばれないでしょう」と笑っていたけれど、「Ready to Rock?」ではステージ袖からMAHがダイブしてましたよっと。

さらにTOMから、コロナ禍に彼の働くライブハウス・F.A.D YOKOHAMAの支援Tシャツを販売した際のエピソードが明かされる。不要不急の外出を避けるためオンラインでの販売を行なっていたのだが、店舗にいち早く買いに来た男がいた、それがMAHだったというのだ。TOMはそんなMAHについて「優しい悪魔っているんだな」と笑う。

DPFを思いっきりライブハウスにしておきながら、遠くを見渡して「フェスも悪くねえよな」とYASU。彼らは何度も「理解あるSiMとセキュリティに拍手」と、常にこの状態でライブができることへの感謝とリスペクトを忘れない。YASUのシャウトが炸裂する「Your Right」、キラーチューン「Hurry Up」でライブは終幕……かと思いきや、さらにYASUが「Ready to Rock?」と叫ぶと、HOLYがカウント。最後に再び「Ready to Rock?」をお見舞いして、横浜のライブハウスの猛者は、最後までDPFを遊び倒していった。

はじめ柵前にオーディエンスを招き入れたときは、苦々しい顔をしていたスタッフ陣が、最後には笑顔で見ていたのを私は見逃さなかった。YASUが言っていた通り、理解あるSiMとセキュリティに拍手!

<セットリスト>

01. Brave Song
02. I Love Me
03. Know?
04. Now or Never
05. Ready to Rock?
06. Rumor
07. Reward Time
08. Cheers
09. Brandnew World
10. Your Right
11. Hurry Up
12. Ready to Rock?

文:小林千絵
写真:半田安政