EGACCHO（Vo）が「おーい！ 聞こえてるかー！」と遠方の観客にも声をかけながらステージに登場すると、少し日が和らいできた時間帯……のはずだったのに、SHIMAの陽気なサウンドに誘われて太陽までも出てきてしまった。ということで再び暑く、そして熱くなったCHAOS STAGEで、SHIMAのライブがスタート。1曲目「すすれ-Re麺ber-」が始まれば、パーティムードは早々にヘヴィなサウンドにかき消されるも、脳内には「川崎といえば」と美味しいラーメン屋がいくつも思い浮かぶから不思議だ。…なんてことを考えているうちに、あれ、体が勝手に“ザイマスジャンプ”をしている？ああ、「PARISLOTTE」になだれ込んでいた！ SHIMAは出番前、サウンドチェックを終えた際「知らない人も一緒に遊びましょう！」と声をかけていたが、まさに誰でも自然と体が動いてしまうのがSHIMAの音楽、SHIMAのライブだ。
「最高にカッコいい曲ができたので」と胸を張ってプレイされたのは「M.a.D」。この曲が何の頭文字であるかは、DEAD POP FESTiVALの参加者の皆さんならきっと想像できるであろう。まさに“M”や“D”をしたくなるようなヘヴィなAメロ、Bメロを経て、メロディアスなサビではいくつもの拳がつきあがる。楽しいだけがSHIMAのライブではない。この緩急が彼らの最大の魅力である。あ、「M.a.D」の歌詞の意味はぜひCDで確かめてみてください。
MCで「本当に最高だわ。何が最高って……本当に空が広い！ 空、ありがとう。そして空の広い会場を選んでくれたSiMありがとう」と独特な切り口でSiMへの感謝を述べたEGACCHO。今年が3度目の出演となるDEAD POP FESTiVALについては「こんなデカイことを何年もやっていることにクソリスペクトだしすごいと思う。出られることがうれしいです」と言いつつ、3回ともCHAOS STAGEであることについて「あっちに出るまで諦めらんねえって思うし、SiMに諦めるなよって言われてる気がして、毎回燃えます」と悔しさを熱意に変えた。
ラストに選曲されたのはSiMと出会ったときからやっているという「USUAL THINGS」。明生（Dr, Cho）の刻む軽快なドラムにあわせてクラップが広がったかと思いきや、ツービートに変わるとヘドバンが発生し、キャッチーなサビでは多くの手が上がる。観客が全身でSiMの音楽を楽しむ姿に、ステージ上のメンバーも笑顔になり、ハッピーなムードのなかステージを締めくくった。
途中のMCで、EGACCHOが「楽しんでる人、ジャンプ」と言うと、オーディエンスはぴょこぴょこ跳ねた。その様子をEGACCHOは「地面、トランポリンなんかっていうくらい」とうれしそうに笑い、「こういうことを共有したら楽しくなりますよね」と言った。SHIMAのライブは、きっとこの積み重ねなのだろう。だからいつも楽しくて、だから太陽も呼び寄せてしまうんだろうな。
＜セットリスト＞
1. すすれ-Re麺ber-
2. PARISLOTTE
3. FUSUMA
4. M.a.D
5. medicine
6. BE ALRIGHT
7. MAKE IT MAKE IT
8. USUAL THINGS
文：小林千絵
写真：半田安政