えー。東扇島、めっちゃあちぃです。中でも13時から14時というのは1日の中で1番気温が高いわけです。やべぇです。ああ、こんなときには爽やかで軽快なフォーリミの音楽が必要だ、みんなもそうでしょ? ということで、頼んだ、フォーリミ! リハでの音出しの段階からフロアの一体感は申し分なく、バックステージも含めて黒Tで埋め尽くされるDEAD POP FESTiVALが半分くらい白T(or カラーT)になったのもフォーリミらしいよなぁと思った。おなじみのSEが流れて、歓迎ムードのCAVE STAGEにフォーリミが登場するやいなやの拍手喝采。
「DEAD POP! 一緒に遊べる? かかってこいよ!」というGENの笑顔から、KOUHEIが鮮やかなにロールを回して「Buster call」へ一挙になだれ込み!! ーーーっと、ここでイントロ演奏をストップさせ「もう1回やる? 時を戻そう!」というGENの掛け声からリスタートを切る形でライブ本編がスタート! あー、これはアレですね。主にレゲエやHIPHOPなどで、フロアを煽るときにトラックをグルッと頭へ巻き戻しては『そんなもんじゃねぇだろ!』と、オーディエンスを焚き付けるヤツですな。何を隠そう、このDEAD POP FESTiVALにおいて、レゲエなどの一旦にあるカルチャーを巧みに演出してみせた光景にSiMへのリスペクトを感じさせられたのは私だけではないハズだ(ですよね、みなさん)。
そこからは「fiction」、「fade」、「Jumper」と高速でいてアッパー、かつ踊れるナンバーを怒涛のノンストップで叩きつけ、フォーリミがDEAD POP FESTiVALへ寄せる気迫を表現。MCタイムでGENは「3年ぶり! 暑すぎ! 久しぶりに帰ってこれて嬉しいです。よろしくお願いします!」との挨拶から「我々、光属性でしょう。闇属性の先輩(SiM)をやっつけにききました!」と笑顔で宣戦布告。「ここからはゴリッゴリのメジャーコード全開で極悪のポップスを!」と宣言するや、フォーリミのライブ大定番の名曲「swim」へ。序盤から上がりきっていたフィールドは、さらに高揚感を増し、その興奮を各々手を挙げ、思い思いにダンスしながら応じている。中盤の<泳いでおいで>のパートでは、なんかクロールみたいな動きでダンスしているオーディエンスも多く、言われた通りにフォーリミの音楽を泳いでるんだな、自由で楽しそうだわ、と感動させられた。
続く「Kitchen」ではダンス、「My HERO」で歓喜。ライブも終盤戦を迎えて再びGENのMCへ。「ついてきてますか? ちょっとずつ世界が戻ってきている感じがしますね。オレたちで取り戻しましょう!」と、我々“音楽がなかったら生きていけない属性”の人類を鼓舞し、3年前にDEAD POP FESTiVALへ出演したときは、自信が突発性難聴で非常に苦しい時期であったということを話した。「世の中、困難はつきものだし、苦難は尽きないもの。炎天下で音楽を聴くなんて身体に悪いんじゃないの? って言われるかもしれないけど、心には絶対にいい! (人生)浮き沈みはあるけど、オレたちの旅はまだまだ続くし、ただ先に進んでいくしかない!」と続く「Feel」の歌詞を引用しながら、今日このステージへの想いを語った。パンデミックによって辛い、苦しい、その困難を一緒に乗り越えていこうという、フォーリミらしいメッセージだ。間髪入れずにラストは「SiM、ありがとう! この曲知ってるヤツ、何人いるの!」と問いかけて「monolith」へ。もうフォーリミと言えば知らないヤツはいないわけで、東扇島を大いに揺らし、あのリリックは<きっと間違えられないな 3年ぶりに帰ってきたDEAD POPのステージ!>と歌われた。
フォーリミの音楽で、少しは涼しい気持ちになるかと思っていたのだが、序盤からの暑さ溢れるステージを見て逆効果。ちょっと茹だるくらいに興奮してしまった……。極悪ポップス、フォーリミ、恐るべし。間違いなくDEAD POP FESTiVAL 2022序盤のハイライトでした。ちなみにRYU-TAはフェスに出演する際、いつも、自分とフェスの共通項みたいなものを探りながら、その日に縁のあるバンドTシャツを着て登場するのだが、本日はGreen Dayの『Insomniac』Tシャツ。こんな細かなところからも、フォーリミのSiMへのリスペクトが感じられるでしょう?
<セットリスト>
1. Buster call
2. fiction
3. fade
4. Jumper
5. swim
6. Kitchen
7. My HERO
8. Feel
9. monolith
文:田島諒
写真:鈴木公平