「デッドポップに殺されるか、デッドポップを殺すかっすね」そう意気込みを語ったのは「DEAD POP FESTiVAL」初出演のSuspended 4th。CHAOS STAGE前に続々と流れ込んでくるオーディエンスを前に、Kazuki Washiyama（G/Vo）がテクニカルなギターを聞かせれば、続くHiromu Fukuda（Ba）も高速スラップで助勢。群馬県伊勢崎市で40度を観測したという速報が飛び込んできた14時、つまりこの日最も暑いであろう時間帯に、彼らは開始早々にして、集まった観客を踊らせる。
そして「ストラトキャスター・シーサイド」へとなだれ込むと、Washiyamaの熱量あふれるヴォーカルが会場中に広がる。「殺しにきたぜー！」と宣戦布告し、さらに「GIANTSTAMP」「97.9hz」を続ければ、もはや東扇島東公園はダンスホールに。猛烈な暑さに強風と悪条件にも関わらず、4人の演奏は乱れないどころか、強固さを増していく。さすがストリートライブで実力を積み上げてきたSuspended 4thだ。
MCではWashiyamaが、冒頭にも記述した「デッドポップに殺されるか、デッドポップを殺すかっすね」とニヤリと笑ったあと「ここに立てて本当に光栄です」と真摯に述べる。かと思えば「コロナがなければもっと早くに立てたと思うんですけど」と再びニヤリ。「でもこのタイミングでよかったです。今、一番仕上がってます」と続ける。なぜなら彼らは先週ツアーを終えたばかりで、脂の乗った状態なのだ。その調子の良さを見せつけるように、Dennis Lwabu（Dr）の生み出すシャッフルビートの「Vanessa」でさらに踊らせ、「ブレイクアウト・ジャンキーブルースメン」ではSeiya Sawada（G）のソロで観客をひきつけてから一気に放出させる。
4人のテクニカルなスキルは、あくまでも自分たちが音楽を楽しむため、そしてその音楽で観客を踊らせるため。WashiyamaとSawadaが背中合わせでギターをかき鳴らしたり、DennisとWashiyamaが挑発し合うように顔を見合わせてプレイしあったりと、自由なアンサンブルを繰り出していった。
Washiyamaがメインステージへの羨望を隠すことなく口にしたあと、ステージの演奏は楽屋エリアにも届いていることに触れ「楽屋までブチ飛ばします」とさらに意気込むと、バンドは最後に「INVERSION」を投下。盤石でタフな演奏のみならず、分厚く美しいコーラスもたっぷりと聞かせ、その気迫のステージを結んだ。
＜セットリスト＞
1. ストラトキャスター・シーサイド
2. GIANTSTAMP
3. 97.9hz
4. Vanessa
5. ブレイクアウト・ジャンキーブルースメン
6. INVERSION
文：小林千絵
写真：半田安政