「DEAD POP FESTiVAL 2022」初日の「CHOAS STAGE」のトップバッターを務めたのはヤングオオハラだ。ちなみに、バンドのホームページにある「嘘のような本当のお知らせ」をクリックしてみると、今年4月1日をもってヨウヘイギマ（G）の脱退が告知されていた。
SEが流れると、ハローユキトモ（Vo/G）、ミツキング（Ba）、ノリバルカン（Dr）のメンバー３人のみでステージに立っていた。
開口一番に「よろしく、集まれ！ キラキラしようぜ、夏しようぜー！」とユキトモが挨拶。１曲目は「キラキラ」で始まった。「太陽にタッチして」と繰り返す歌詞は、今日のピーカンなお天気にピッタリだ。裏声を交えたヴォーカルも気持ちよく伸び、３ピースによるシンプルな演奏は力感が漲ってるよう。
豊かな曲展開で聴かせる「ラブリー」に繋ぐと、後半にはミツキング（B）が味わい深いヴォーカルで楽曲を援護。
「調子どう？ 沖縄はセミが鳴いている。今日はめちゃくちゃいい天気ですね。酒飲みがいがあります！」と沖縄出身のバンドらしいユキトモのMCにニヤリ。とにかく、突き抜けるような青空の下で聴くヤングオオハラの音楽は、最高としか言いようがない。
次の楽曲ではそれを痛感した。「サマタイ」に入ると、リズミックな曲調に観客も体を揺らし、中にはジャンプする人もいたりと、思い思いに楽しんでいる様子だった。ふとステージ袖に目を移すと、SiMのSHOW-HATEとGODRiがノリノリで騒いでいるではないか。ダンスフロアと化した「CHAOS STAGE」を見終え、「ナイスなダンスをありがとう。また違うノリ方の曲があるんだ。心から揺らしてくれ！」と告げると、次は「なんでもないような」へ。浮遊感に富むメランコリックなメロディは中毒性が高く、雄大なスケールを帯びた曲調に沖縄の薫りを感じずにはいられなかった。
「素直でまっすぐな音楽が好きだから。俺らもそうありたいと思っている」と言うと、最後に「essential」を披露。「シンプルでいい単純でいい」、「言葉より僕ら抱きしめあえるのさ」という歌詞が胸に突き刺さる。
心から素直に出てきた感情こそ大事だろ？
音楽を通して、彼らが伝えたい真意はそこにあるのだろう。全感情を解き放つ、ド直球のパフォーマンスにヤングオオハラの真骨頂を見る思いであった。
<セットリスト>
1. キラキラ
2. ラブリー
3. サマタイ
4. なんでもないような
5. essential
文：荒金良介
写真：半田安政