梅雨明けを思わせるような照りつける日差しの中、DEAD POP FESTiVAL 2022の幕開けを飾るべく、CAVE STAGEに登場したのはNOISEMAKERだ。ステージに登場した段階で高まる熱気を感じ取ったのだろう。お前らならやれると言わんばかりに、先へ進もうという「Something New」をハイテンションでいきなり投下。全身を震わせながら歌うAG(Vo)、飛び跳ねるYU-KI(Ba)、広がる空間を彩るようなフレーズを奏でるHIDE(G)、屈強なリズムを叩き出すUTA(Dr)が一丸となって押し寄せてくる様が痛快。その踏み込み方が素晴らしい。
冒頭からクライマックスかというぐらいの盛り上がりの中、間髪入れずに「THIS IS ME」へ。ひとりひとりに突き刺すようなAGの歌声、ノリを加速させるコーラスワークで会場はさらにヒートアップしていくが、「体力温存してるヤツ、いないよな？」とAGやYU-KIがアジテートしてからの「SADVENTURES」は凄まじかった。そう言われて黙っているようなオーディエンスはこの会場にいないわけで、地面が揺れるほどのジャンプを繰り返し、高く手を突き上げる。声はなくとも盛大なコール＆レスポンスが起こっていた。
DEAD POP FESTiVALには3年ぶりの登場ということもあり、ここでAGがこの3年を振り返るが、ネガティブな発言は一切なし。もちろん、困難はたくさんあったに違いない。だが、リリースやツアー、ひたすら突っ走ってきた、絶好調だったと話す。「誰ひとり、下を向かせねえからな！」というAGの発言もあったように、この気持ちの強さ、頼もしさはNOISEMAKERというバンドの真骨頂に違いない。
色気と緊張感を共存させ、跳ねるビートも魅力的な「SPEAK UP」でオーディエンスを惹きつけ、AGが語りかけるように歌いながら、クライマックスでは絶叫も見せた「NAME」をプレイし、どんどんとムードを高めていく中、生きるということの意味を何度も問いかけてから最後に放った「To Live Is」はまさしくハイライト。優しく包み込むようであり、気持ちを解放してくれるこの曲。スケール感はもちろんのこと、バンド自身が持つポジティブなバイブスが会場中に降り注いでいったのだ。
遠慮も探る素振りもまったくない、バンドとオーディエンスの信頼関係がさらに強固になる真っ向勝負なステージ。最高のスタートダッシュを決めてくれた。
<セットリスト>
1. Something New
2. THIS IS ME
3. SADVENTURES
4. SPEAK UP
5. NAME
6. To Live Is
文：ヤコウリュウジ
写真：鈴木公平