「DEAD POP2日目、無事開催おめでとうございまーす! もう色々あきらめて楽しんでくださーい」と「ヘビーローテンション」、「good die」を演奏しながら、普通にMCしマイクをガンガン振り回しながらアクトしちゃってるユーキ（Vo）。それにガッツリ応じてオーディエンスもバンバン手を上げていたけれども、お前らな、それリハやぞ。見渡せばCHAOS STAGEにはぎっしりと人が集まっていた。coldrain前だというのにすごいじゃないですか! もう、このままだと本編が始まったらダイバーやモッシャーが出そうで怖いわ。ーーと思っている最中、ライブスタート時刻へ。
「じゃあ、いつものやってやりますか」という、チヨ（Ba）の言葉からステージ中央に4人が集まり、カッキーン（なんかバット振るみたいなやつ）やって「黒天使」のイントロへ。CHAOS STAGEに詰めかけた面々は曲始まりから全員でブンブン。どうやら本日のスサシちゃんのライヴは異様に盛り上がったライブになるっぽいなー。という思いは見事に的中し、一挙に「STEAL!!」で全員ジャンプ、「踊らない」から目下最新曲「YELLOW」までノンストップで続けた。この「YELLOW」の間に、ユーキは下手の搬入口へ姿を消し、ボーカルだけがスピーカーから流れるという謎の状況へ。そういうの心配になるから止めてほしい。
破天荒で破茶滅茶な4曲演奏後「SiM、ありがとうございます〜。呼ばれたときはドッキリやと思いましたぁ」とチヨが感謝の言葉を述べた。普段なら、ここで漫談のようなMCタイムが続くのが、今日は、スサシちゃんにとって大事な大事なDEAD POP FESTiVAL初舞台のCHAOS STAGE。MCタイムもそこそこに、ユーキの「1個だけいいすか? （Creepy NutsのMCで）2015年に松永（DJ松永） がバイトしてて、今日メインのCAVE STAGEに出てって話があったけど、それ以上のエピソード持ってないです、すいません」という言葉から、やっぱりやりましたか! の「Swinga!」へ。フロアもさらなる盛り上がりに。やっぱ出てきちゃうんだろうな〜という期待感に応えるように、先ほど大舞台を終えたR-指定がCHAOS STAGEに登場。体力バケモン! 特に終盤のフリースタイルのすさまじさは＜VAYVAY YA VAYVAY＞でありました。
間髪入れずにゴジラのテーマ曲をサンプリングしたイントロが流れる中、「次の曲、GODRiさんに捧げます。ラヴソング持ってきたんで」（ユーキ）から「かいじゅうのうた」へ。みんなでガオガオして盛り上がった後は「近々、選挙ってデカいパーティがあるんで、そこでうまいことやりましょう」と言い放ち「しあわせになる」。この楽曲、スサシにしては珍しく明確に時代のことを歌った曲でもある。そのリリックが本日のDEAD POP FESTiVALに刺さる。ラスト3曲は「GODSPEED」、中盤のミドルテンポのパートでは、黄色のSiMタオルを被ったオーディエンス数人だけを残し、他全員を座らせてのピカチュウジャンプを強要するなど、スサシ、やりたい放題タイムへ。「TOKYO MURDER」で完全にバグりきった状態のままラストは「南無」。曲が始まると、ユーキはステージ脇のスピーカーによじよじ登り、“柵があったら登らなくちゃ気が済まない病”を発揮。「オレたちに唯一与えられた権利、ダンスを使うんだよ! オレたちのために」と叫び、逆さになりながら最後まで歌いきった。その光景、圧巻。ここまでスサシがバグっちゃったのは、彼らにとってDEAD POP FESTiVALが憧れのフェスだったから。SiMへのリスペクトを根底に、ようやくCHAOS STAGEの舞台を踏めたのは喜ばしいことだったに違いない。
７曲目「しあわせになる」を歌いながら、ユーキは歌詞の合間に「SiM、愛してます」と、口早に言葉を差し込んでいたのを私は聞き逃さなかった。そんな風に真っ向から愛や感謝をしおらしく告げないところが天邪鬼なスサシちゃんである。
さて、そんなスサシちゃんのやりたい放題タイムをDPFはどう見るか。名誉の出禁か否か? その答えは来年以降のDEAD POP FESTiVALのラインナップで明確になることでしょう。進め、スサシ。
<セットリスト>
1.黒天使
2.STEAL!!
3.踊らない
4.YELLOW
5.Swinga! feat.R指定
6.かいじゅうのうた
7.しあわせになる
8.GODSPEED
9.TOKYO MURDER
10.南無
文：田島諒
写真：かわどう