「岡崎体育、Age Factory、THE ORAL CIGARETTES（以下オーラル）と、奈良NEVERLAND（ライヴハウス）のイベントまんま」と岡崎体育同様、オーラルの山中拓也（Vo/G）も「DEAD POP FESTIiVAL 2021」初日の出演順に触れずにはいられなかったのだろう。続けて「SiMのメンバーがそれを加味してくれて・・・」と言け加えると、スクリーンにはニヤケ顔のMAH（Vo）がアップで映し出されていた。
この日、三番手として「CAVE STEGE」に登場したオーラル。SEが流れると、山中拓也、鈴木重伸（G）、あきらかにあきら（B）、中西雅哉（Dr）のメンバー４人が颯爽と登場。「久々やろ？ 行くで」と囁くように山中が言うと、「Mr.ファントム」で戦闘開始。１曲目から本フェスに賭ける意気込みがビシビシ伝わる熱量の高いパフォーマンスを披露。観客もそれに応えるように飛び跳ね、拳を振り上げたりと、瞬時に場は活気付いていく。
「もっともっとアガッていけるやろ、今日は攻めるぞ！」と宣言すると、次は「5150」へ。すると演奏はさらにヒートアップし、一人残らず飲み込まんとするパワーで畳み掛けてくる。 「楽しみにしていた人どんだけおんの？ 俺らも待ってたぜ！今日のセトリ死ぬんちゃうかな」とMCを挟んで、「Dream In Drive」をプレイ。ヘヴィなイントロを皮切りに、妖艶なメロディを伸び伸びと響かせ、「CAVE STAGE」を埋め尽くす観客をじっくり見据えながら歌い上げる山中の姿が印象的であった。
「狂乱Hey Kids!!」、「カンタンナコト」ではメンバーのステージ上での動きも活発になり、ヘドバン・パートで観客と一体感を作り上げる剛腕ぶりを発揮。「コロナ禍で訳わからん時代になってもうて。今の制限下の中で全力でノッてくれるのがわかる。今日は通して一つのイベント、SiMに届くようにやる。ロック・バンドは弱者の位置で力を発揮する。今はそういう時・・・俺らは燃えてる、ヤバいロック・シーンをもう一度作ろう！ 今が起死回生の時やと思います」と熱く呼びかけ、「起死回生STORY」へと繋ぐ。
エモーショナルな歌心で聴く者の深いところまで届けると、ラストは「BLACK MEMORY」が炸裂。ロック・バンドの色気と男気を放出しつつ、何より滾りまくったロック魂を叩きつけるステージングに体の芯から湧くような熱を感じ取った。「未来のロック・シーンに大きな拍手を！」と山中は最後に言い放ち、ステージを去って行った。
＜セットリスト＞
1.Mr.ファントム
2.5150
3.Dream In Drive
4.狂乱Hey Kids!!
5.カンタンナコト
6.起死回生STORY
7.BLACK MEMORY
文：荒金良介
写真：鈴木公平