2024年のDEAD POP FESTiVALで、初日のCHAOS STAGEのトリを務めたPaledusk。その際CAVE STAGEを指して、「来年はあそこ(メイン)でやるから。俺達がSiMになりますから!」と言っていた。そしてDEAD POP FESTiVAL 2025、DAY2、CAVE STAGEの幕を開けるのは……Paleduskだー!
「朝から死ねー!」と、DEAD POP FESTiVALファンはむしろ大喜びの言葉から、激重の「AREA PD」でまずは朝のご挨拶。「みんな歌え!」と焚き付けた「SLAY!!」では、BOB(Dr)が繰り出すリズムに乗せ、オーディエンスと競うようにDAIDAI(Gt)とTSUBASA(Gt)が歌うようなメロディアスなギターを高らかに奏でる。さらにKAITO(Vo)が「俺たちがフェスに出始めたとき、初めて見る人を一緒にアゲきることができなかった。そのときの曲も成仏させたい」と言うと、2018年リリースの「Blue Rose」をプレイ。この曲を初めて聴いた人、Paleduskのライブを初めて見た人もいるだろうに、フロアは大爆発。自らの手で掴み取った「DEAD POP FESTiVAL」のCAVE STAGEでプレイするなんて、これほどにない成仏になったことだろう。「HAPPY TALK」ではオーディエンスを座らせてからジャンプさせ、Paledusk流のゴスペルナンバー「I’m ready to die for my friends」ではオーディエンスの声も曲の一部に。「一番ヤバい朝イチをもらいにきました」と意気込んでいたが、オーディエンスと共に、まさにヤバい朝イチを作り上げていく。
……とここまで、気合いバッチリ、フロアとの相性も完璧と、最高な流れだったが、KAITOがMCで語り始めようとすると、海上の船から大きな汽笛が。「これも込みで、ここのステージに抜擢されたんですか?」と笑っていたが、ちょっと締まらないところもまたPaleduskの魅力。実際、MAHには「MCで何を言っているのかわからない」と指摘されるらしく、この日は意識して丁寧にしゃべっているという。愛おしすぎるし、あの……ここだけの話、今日もやっぱりちょっと聞き取れなかったよね?
途中、フロアの多くが2日参加だと知ると、KAITOは「みんなめっちゃバンド好きじゃん。バンドやれって!」と笑っていた。彼にとってバンドは、“好きだからやる”ものなのだ。そんなピュアな思いでステージに立っているのは、もちろん今も変わらず。「いろんなバンドがウォールオブデスがどうこうとか、そんなんもういいじゃんって思ってたけど……俺もやりたい」とピュアな理由から、サークルピット必至の「Q2」でライブを再開させると、うれしそうな笑顔で「まだまだ見たい景色がいっぱいあるな。バンドって最高だよ」と喜んでいた。
それまで音楽で楽しく遊んできた彼らだったが、最後は「全部の気持ちを込めて」と「PALEHELL」を選曲。KAITOはマイクを握りしめ、愛おしい人やものを抱きしめるように歌う。それでも伝えきれないとばかりに「SiM愛してます」「また来年も会おう」と言葉を重ねてヤバい朝イチを終えた。しかし彼は昨年に続き、今年もこう言っていた。「俺らが目指しているのは、ここ(CAVE STAGE)じゃなくて、ここのトリだから」と。このトリを目指して、何度でも何度でも、彼らはDEAD POP FESTiVALに挑んでくる気だ。
<セットリスト>
01.AREA PD
02.SLAY!!
03.Blue Rose
04.HAPPY TALK
05.I’m ready to die for my friends
06.Q2
07.RUMBLE
08.PALEHELL
文:小林千絵
写真:かわどう