東扇島東公園、朝10:00の時点でもう暑い。夏の爽やかな青空の下、入り口からは何やら物騒なロゴを掲げたドス黒Tシャツに身を宿したハーコーヘッズたちがゾロゾロと入場してきて物々しい雰囲気である。怖い。彼らが向かったのは言うまでもなくCHAOS STAGEだ。
DEAD POP FESTiVAL 2025、2日目のO.Aを飾るのはCHAOS STAGEのオーディションを1位で通過したC-GATE! C-GATEは2012年に長野県松本市で結成されたメタルコア/ハードコアバンドだが、本日のラインナップはラウドバンドが多いこともあり、トップバッターとして最適なバンド。その期待度の高さが、朝一にしてはパンパンになっているフロアに現れていた。
SE後、ステージに登場したNaShun(Vo)が「ついに来たぜ! 俺たちがC-GATE、今日一のヘヴィをかますぜ!」と開幕宣言。咆哮と共にイントロを始め、ゴリッゴリのリフにヘッドバンキングで準備運動。2バスの絨毯爆撃から曲がスタートする「NO FUTURE」で、一気にフロアが揺れ始めた。NaShunが両手を真っ二つに開くアクトをすると、ワッとモッシュピットが発生し、モッシュがグルングルン回転し始める。まだ正午前だってのに、実にヴィオレンスなピットである。怖い!
「THE WAY I AM」では高速サークルピットからのシンガロング、ビートダウンの合間には一聴してメロディが耳に残るようなパートもあり、初見のオーディエンスも存分に身体を揺らすことができるライブを披露していた。そしてNaShun のMCタイムへ。
「長野県松本市、そして新宿Antiknockからきました」と自己紹介。ラウドやハードコア好きであれば、「新宿Antiknockからきた」と聞けば、それがどんなバンドか理解できるであろう。最高の自己紹介だ。そして次のようには繋げた。
「人生で初めて買ったライブチケットは新木場STUDIO COASTで開催された、SiMの『PANDORA』ツアーファイナルです。DPFにも何度も遊びに行ったことがあります。みんなと同じだったキッズが、今日ここに立っています! SiMには感謝しかありません」。ここでフロアから大きな拍手!
昨日、SiMのステージではMAHが、<10年続けているとDEAD POP FESTiVALに来ていたり、自分たちのこと聴いてバンドを始めた面々と同じイベントに立つことができる。やってきてよかったと思う>という内容をMCで話していた。それ、すなわちC-GATEのようなバンドがこの場にいることを示している。そして、その意志は確実に次世代に紡がれていることが、このライブで明らかになっていた。
「SiMに捧げる新曲」として披露された「FORCE」は、高速カオティックリフから2バスに繋ぎ、シンセの音も織り交ぜたジェントを通過した最先端の現行メタルコア楽曲だ。そのアプローチにフロアも食らっていた様子。新曲だというのにモッシュピットが荒ぶり、砂埃がCHAOS STAGを覆っていた。ラストはC-GATEが2023年に発表したアルバム『NO FUTURE』の最終収録曲「SAMSARA」。ピットがモッシュでわちゃくちゃになりながら、初のDEAD POP FESTIVALのステージを締め括った。
憧れのステージに立ち、その確実でアグレッシブ過ぎるアクトで爪痕残しまくり。きっとC-GATEはラウドシーンを駆け上がり、再びDEAD POP FESTiVALのステージに登場するだろう。めっちゃカッコよかった!!
<セットリスト>
01.INTRO
02.NO FUTURE
03.THE WAY I AM
04.FORCE
05.SAMSARA
文:田島諒
写真:鈴木公平