MAHやralphも呼び込んで。帰還したCrossfaithが解放されたDEAD POPに生み出したケイオス

  • 2023年6月25日
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正直、昨日から、ここのタイムテーブルが恐怖でしかなかった。灼熱のCAVE STAGEに登場した強烈過ぎるcoldrainから、CHAOS STAGEでCrystal Lakeが破壊行為に等しいほどのライブを繰り広げ、もうペンペン草も生えやしないよ……というほどの状況下だって言うのに、この後にCAVE STAGEに表れるのがCrossfaithときたもんだ。
『もうやめて! DEAD POPのライフはもうとっくにゼロよ!』と叫びたくなるほどの流れじゃないですか、“解”が過ぎるんじゃ! と。
これはさすがのDEAD POPオーディエンスも暴れきれないんじゃないか。ーーーライブが終わって思うことは、そんなの完全な杞憂だったなってことです。CrossfaithならではのケイオスがCAVE STAGEに極まり、僕らは再確認することになった。“解”の本当に恐ろしさと楽しさを。もうグッチャグチャでしたからね。

そもそも『DEAD POP FESTiVAL 2023』に対するCrossfaithの気合いと前のめりな姿勢には並々ならぬものが滾っていた。
2021年以来2年ぶりの出演であるのだが、この10ヶ月ほど活動休止期間を経て、フェスで言うと先日の『SATANIC CARNIVAL’23』のトップバッターが久々の大きなステージだ。この辺りは、Koie(Vo)が中盤でMCしていた通り、「活動休止期間を経て、最初に復活したい場所がDEAD POPで逆オファーしました。みなさんご存知の、あの悪魔さんにお願いしたわけですよ。そしたら👌って(Koie氏、ニッコリ)。みんな気づいてるかもしれへんけど、あの悪魔さん、校長先生くらいあったかいで」ということだ。その後、サタニックから、活動休止をシカトしたオファーがあって出演することになったが、本来のCrossfaith復活の場所はDEAD POPを予定していたということだ。この辺りの事情は事実よりも重要だ。そりゃ気合いの度合いはハンパなわけがないのだ。

そもそも1曲目から絶対的アンセム「Monolith」を投下し、続いてハード過ぎる「Rx Overdrive」である。完全に殺しにきとる。2曲を終えて、Teru(Programming, Vo)はイェーガーらしき酒瓶をグイ飲み。ファンならばわかる、次の曲はアレでしょうね、ということで「Jägerbomb」。サークルピットを煽るKoieに応じて、PAテントを中心にデッカいサークルピットが出来上がる。この光景、まさに解放を超えたからこその、あの凄まじい光景であるっ! 途中、ピットが止まると「何ぼーっとしとんねん、お前ら!」と、すかさずKoieが檄を飛ばす。この辺り、3年のブランクがあるのか、はたまた初めてのモッシュピットを体験した人が多かったのか、止まりがちなフロアを常にケイオスな状態にキープし続けていたのはCrossfaithならではだろう。

次の曲は、そこなしのライフを持ち合わせたDEAD POPオーディエンスに向けてのご褒美であろう、2年前の再来とも言えるMAHを呼び込んでの「Wildfire」だ。この一斉ジャンプの勢いは東扇島が陥没するんじゃないかというほどの激しさで、ちょっと怖かったです。ジャンプにタオル大回転を繰り出しながら、最後にKoieとMAHが肩を組むシーンもあった。「昔は俺らだけよければいいと思っていたけど、今は違う。仲間って最高ですね。(中略)ralphは間に合ったのかな? 呼んでいいですか? オレらの新しい友達にロックフェスの力を見せつけてください!」とKoieは“あの下り”に触れた。“あの下り”というのは、6月24日(土)の夜に、KoieがSNSにralphを呼ぶことを示唆する音声ムービーをアップした件だ。それが方々で話題を呼んでいた。Koie曰く、「果たして、ralphは間に合うのか!!!?」であったのだが、果たしてralphは……奇跡的に間に合った!

ゆったりと登場したralphは「はじめまして、HIPHOPをやっているralphと申します。かかってこいよ、DEAD POP! そんなもんか!?」と煽り、「Gimme Danger feat. ralph」では、ここ1番のウォール・オブ・マザーファッキン!!!!・デスを展開。もう、フロアがひっくり返るような勢いのまま、前後不覚になるような破茶滅茶っぷりだ。終曲後に「DEAD POP、やべぇじゃねかよ」と言い放ってralphが去った後、ライブ終盤にしてスタート地点へ回帰するかのように「System X」から「Xeno」へ。アルバム『XENO』の流れをなぞるようにCrossfaithらしいラウド(過ぎる)チューンを叩きつけ、「We are Crossfaith!」という咆哮と共にステージを去っていった。
いよいよ、こりゃあペンペン草も生えやしねぇだろう。そんなCrossfaithらしい壊滅的なアガり方を経て、『DEAD POP FESTiVAL 2023』のCAVE STAGEには、あと2バンド。SUPER BEAVERと大トリ、SiMの2バンドが登場する。

<セットリスト>
01. Monolith
02. Rx Overdrive
03. Jägerbomb
04. Wildfire feat.MAH
05. Gimme Danger feat. ralph
06. System X
07. Xeno

文:田島諒
写真:鈴木公平