DEAD POP FESTiVAL 2022、2日目いよいよ盛り上がってまいりましてSHANKの時間。
CHAOS STAGEに集まった人の多さを見る限り、そろそろCAVE STAGEでやってくれやと思ってしまうほどの盛況っぷり。前方フロアは現時点で今回一のギッチリっぷり。四方を見渡すと柵の外にも大勢が押し寄せ、CAVE STAGE後方で構えている人も手を振っている。もはやCHAOS STAGEのヌシたる光景である。リハの音出しは「Take Me Back」だったがSHANKのオーディエンスは、いつも通りリハも本編も関係なしで上げに上げていた。
SHANKのライヴは、どんな場所だろうが、どんなフェスだろうが通常運転のパンクロックショウ。今日のDEAD POP FESTiVALでも、そのSHANK然としたパンクなステージは一切ブレることなく最初からラストまで続いた。
リハ終了後、少しの間を置いてからのSEで、ぬるりとメンバーが登場して拍手喝采。もう待ちきれないといったオーディエンスは本編1曲目の「Surface」からクラップにジャンプ、各々手を振って完璧に曲に合わせて反応する。その一体感のままに「Rising Down」、続く「Good Night Darling」はライヴ定番のド名曲ということもあって、フロアは待ってましたのアクションで賑やかな様子だ。タイトルコールから始まった「Life is…」を経て庵原将平(Vo/Ba)がひと言。「声は出しちゃダメ? あ、ダメなんだ。でも、よかったよね、マス(客席のソーシャルディスタンスを意識した立ち位置の目印)もなくなって、天気もよくって」と晴れ渡った素晴らしい東扇島の空に触れて「Weather is Beautiful」へ。
チューニングタイムから「暑ない? マンウィズが心配です!」(将平)と言えば、思わず溢れる笑い声。温かい空気感のままに「Set the fire」では、それこそフロアから「オイ! オイ!」のシンガロングはなかったが、一面に広がった拳の波を見ていると、それが実際に聞こえてくるような感覚になった。その後「620」へ続き、フロアの高揚感は留まることなく増していった。
ライヴ終盤に差し掛かり、「SiMありがとう。昨日、寝る前に、どんな思いをぶつけてやろうかと思って(MCを)考えたんだけど、何も出てきませんでした」と将平らしいMC。「相変わらずアツいMCも心に響くMCも持ち合わせていませんが、最後まで音楽をやって帰ります」と端的に告げて「Wake Up Call」と「BASIC」。すっかり笑顔で溢れたフロアにバイバイ! と挨拶してラストは「submarine」を演奏し、本日のSHANKのステージが終了した。
SHANKの音楽性を考えると、本来はモッシュやダイブが似合う楽曲なハズなのだが、明らかに昨年のDPF以上に完璧にオーディエンスがアクションを取っていた。このコロナ禍においても、ひたすらSHANKらしさを貫き活動を続けてきて今日に至って。そのライヴにどう反応するのかを生み出したのはオーディエンス自身だ。現代におけるSHANKのステージはこういうことなのである。今日もまた、最高のパンクロックショウをDPFに叩きつけ、3人は颯爽とステージ脇へ去っていった。
<セットリスト>
1.Surface
2.Rising Down
3.Good Night Darling
4.Life is…
5.Weather is Beautiful
6.Set the fire
7.620
8.Bright Side
9.It’s not a game
10.Wake Up Call
11.BASIC
12.submarine
文:田島諒
写真:半田安政