即着火!息継ぎ不可!NAMBA69、怒涛の35分

  • 2021年6月27日
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リハーサルの時点でNAMBA69はすでに火が着いていた。予定時刻の数分前にリハーサルを終えた難波章浩(Vo, B)は「じゃあ、やっちゃおうかな」と今すぐにでもライブを始めそうな勢い。しかし「あ、引っ込めって」と笑い、「ジングルとか流れてカッコよく出てくるんでよろしく!」と言い残して一旦はけたが、きっと今すぐにでもライブを始めたいほどに気持ちがはやっていたのだろう。

満を辞して、改めてステージ出てきた難波、ko-hey(G, Cho)、MORO(Dr)、K5(G)の4人は、難波の「踊ろうぜー!」を合図に、挨拶とでも言いたげに「MANIAC」でライブの口火を切った。MOROの重たいドラミングに乗せ、難波のキャッチーなボーカルと、ko-heyのシャウト、K5のメタリックなギターがめまぐるしく展開し熱狂を誘う。かと思えば、空を見上げた難波が「雨降んなかったな!」とうれしそうに声を弾ませてから始まった「LOOK UP IN THE SKY」、2本のギターのハーモニーが心地よい「YOU’RE MY FRIEND」と、開放的なナンバーが続く。すると油断は禁物とばかりに、再び「MANIAC」シリーズから「MANIAC III」が投下される。4人の様々なバックグラウンドがそのままバンドの武器になり、“緩急”なんて言葉では言い表せないほどの振り幅で、息つく暇さえ与えない。4人の自由なスタイルは、ファンも同様で、「MANIAC III」のブレイクでko-heyが「いつもだったら『サークル作って』って言うところだけど、できないから……任せた! 楽しめ!」と言い放つと、オーディエンスはその場でぐるぐる回ったり、力強く拳を突き上げたり、タオルを回したりと、各々が自由にパワーを解放していた。

今回、初めてのCAVE STAGEとなったNAMBA69。難波は2019年の「DEAD POP FESTiVAL」でCHAOS STAGEに出演して以降、メンバーチェンジを含めてバンドが様々な局面を迎えたことに触れ、「それでも俺たちを見てたSiM、俺たちをここに抜擢してくれてありがとう」とまっすぐに感謝を伝える。ここからが怒涛だった。頭上の曇り空が思わず晴れわたる青空に見えた「SUMMERTIME」、先日リリースしたばかりの「MANIAC」シリーズ最新作「MANIAC IV」、涙腺を刺激する「PROMISES」に、“自分が変わっていこう”というストレートなメッセージを拳を握って歌い上げる「CHANGES」と続けて、再び感情をあっちこっちに揺さぶりまくってくる。

さらにラストスパートはもう息継ぎ不可。感情が高まるあまり難波がマイクスタンドをなぎ倒すほど全身全霊で歌い上げた「DON’T JUDGE ME」のあと「ラスト1分!」との声から「INTRO」へ。さらに「あと1曲いけるって!」と「LIFE IS GOOD」でダメ押し。これでもかと重低音を響かせて、あっという間に35分を駆け抜けた。MCで難波が「俺たちはどこに行っても変われないんで。NAMBA69よろしくね!」とステージの大きさに関わらず同じ熱量でライブを行うと宣言していたのだが、まさにそれを体現するようなライブだった。

<セットリスト>
1. MANIAC
2. LOOK UP IN THE SKY
3. YOU’RE MY FRIEND
4. MANIAC III
5. SUMMERTIME
6. MANIAC IV
7. PROMISES
8. CHANGES
9. DON’T JUDGE ME
10. INTRO
11. LIFE IS GOOD

文:小林千絵
写真:鈴木公平