岡崎体育さんへ、今年の「DEAD POP FESTiVAL」もクイックレポートあります、どうぞお手柔らかにお願いします。
このくだりには後ほどゆっくり触れるとして……今年の「DEAD POP FESTiVAL」のトップバッターを飾ったのは、“日本イチ一番手のうまい”岡崎体育。先日の「24時間生配信ひとり曲作り合宿」で作ったばかりの新曲「잡채(チャプチェ)」で会場を温めると、「声を出せない代わりに身体を動かせるやろ」と煽り、「Open」「R.S.P」とダンスナンバーを続けて観客を踊らせる。踊る人を選ぶためのじゃんけん大会をするなど、観客が声を出せない状況でも変わらずに楽しませていくパフォーマンスもさすがだ。
たった一人で立つステージを見渡して「ソーシャルディスタンスも取れてるし」とどこかさみしげな面持ちを見せて笑いを誘ったあと、「フェスにクイックレポートってあるじゃないですか」と切り出す。彼は「自分がどんなライブやってたかなって読んでみると、似たようなことが書いてあった。『会場のボルテージは一気に最高潮に』と。むちゃくちゃ最高潮来るなと思って、曲にしてみました」と続ける。その新曲のタイトルは「クイックレポライター」。クイックレポート風の文章を音声で流し、その間彼はレポート記事に掲載されているような写真をイメージしたポーズを取る。そして「会場のボルテージは一気に最高潮に」というフレーズが来ると、観客はその言葉通りボルテージを最高潮にしていく。２番以降では「舞台袖で見ていたSiMのMAHがスクリーンに映し出されると」のフレーズで、実際に舞台袖のMAHの姿がスクリーンに映し出され、会場のボルテージは最高潮に。さらに「タオルを掲げた」というフレーズが流れるとオーディエンスはタオルを掲げて会場のボルテージを最高潮にしていった。
さらに「SiMのMAHさんがやるからカッコいいねん！」といったツッコミが入る「Voice Of Heart2」と、コミカルな楽曲を続けたあと、彼は表情を引き締めて「DEAD POP FESTiVAL、やっぱいいっすね」としみじみ。自身のあとにAge Factory、THE ORAL CIGARETTESが続くこの日のタイムテーブルに触れ、2013年頃に奈良で共に音楽イベントに出ていたことを回顧すると、「8年後、川崎でこの規模のフェスに一緒に出られるなんて本当に音楽って夢あるなと思います」とうれしそうに話した。
最後は「今の川崎の曇り空を割るかのように一匹の鷲を飛ばしたい」と真摯に語り「Eagle」へ。エモーショナルな表情とまっすぐな歌声で胸を打ち、後半には「僕の気持ちを受け取っていただいたら幸いです」と告げエモーショナルなムードのまま、観客を踊らせていった。
コミカルなパフォーマンスの中に音楽へのまっすぐな想いを滲ませ、オーディエンスを笑わせて感動させる岡崎体育。彼はきっとこれからも日本の夏フェス会場のボルテージを最高潮にしていくだろう。……っていや、岡崎体育さん！レポート書きづらいわ！（笑）でもこんなところにまで目を向けてくださりありがとうございます。
＜セットリスト＞
1.잡채(チャプチェ)
2.Open
3.R.S.P
4.クイックレポライター
5.Voice Of Heart2
6.感情のピクセル
7.Eagle
文：小林千絵
写真：鈴木公平