SiMのライブに予定調和はひとつもない。来年の再会を約束する渾身のフィナーレ!

  • 2019年6月23日
  • 0623

FINAL ARTIST」「SiM」という文字がスクリーンに表示されると、CAVE STAGEに詰めかけたお客さんの腕が一斉に挙がった。サイレンが鳴り響き、ステージの照明が激しく明滅すると、メンバーがステージに登場。大歓声のなか、GODRiDr)は激しく胸を叩く。最後に堂々とした足取りでMAHがステージ中央に辿り着き、「Get Up, Get Up」からライブはスタートした。極悪なハードコアパートからレゲエパートへと展開していくなかで、「かかってこいや!」とお客さんを挑発するMAH。この瞬間を迎えるまで、2日にわたり、CAVECHAOS、ふたつのステージに出演したバンドが、それぞれにSiMへの想いを語っていた。そういう全26組の想いも背負って、SiMはステージに立っていた。

「世の中にはいろいろなアーティストがいてさ、キラーチューンを作れるバンドと、作れないバンドがいるわけよ? 俺らはどっちよ? あははははは!」と不気味な高笑いを見せたMAHが、「いまからキラーチューンがどういうものか教えてやるよ!」と不敵に言い放ち、繰り出したのは“oh na na na”のフレーズを呪詛のように繰り出す「Blah Blah Blah」。さらに、昨日の「DiAMOND」に続き、バンドの最新曲を更新すべく披露された、タイトル未定の新曲は、SHOW-HATE Gt)がシンセを弾く、軽やかな幕開けだったが、途中でサプライズゲストにあっこゴリラを加わったあたりから、バンドのヘヴィネスが爆発。初披露にも関わらず、お客さんとのシンガロングを巻き起こす全能感も含めて、彼らの新しいアンセムになりそうな予感がする楽曲だった。

「音楽はドカーンとやって、ワーッて言うだけじゃない。あれもSiM、これもSiMなんだよ。全部わかってほしい」と届けた激情のバラード「The Sound Of Breath」では、今を耐えて 変えて 前へというフレーズに、バンドの想いが重なって聴こえた。さらに、「CROWS」でも容赦なくフィールドを煽り、大合唱を巻き起こすと、「いまの極限状態の俺らが、いまから“KiLLiNG ME”とかいう曲をやったら、どうなるか知りたいんだ。一緒に死んでくれー!!」というMAHの絶叫から、本編ラストの「KiLLiNG ME」へと突入。GODRiが叩き出した破壊力のあるイントロのうえで、SHOW-HATEはギターを振り回しながらぐるぐるとまわり、SINBa)はサビで大ジャンプ。その曲中で演奏を止めて、MAHが「おい、この会場にギターが弾ける猪狩はいるか!?ダイブさせろ!」と言い出すと、猪狩(HEY-SMITH)をダイブさせて、ステージまで運ぶという展開に会場は狂喜乱舞。その途中で、「いいや、SHOW-HATEさ、もう弾いて!」と到着を待ちきれず、曲が始まってしまうのだが、ステージに辿り着いた猪狩は、マイクを食らいそうな勢いで「KiLLiNG ME」を絶唱した。彼らのライブに予定調和はひとつもない。「明日は今日よりかっけえライブをやる」と、言い放った昨日の宣言どおり、いや、それ以上のライブで、本編を締めくくった。

 アンコールで、MAHが語ったことは、本当に大切なことだったから、できるだけ一語一句漏らさず書き残しておきたい。

「帰る場所はライブハウスだからね。それは勘違いしないでほしい。フェスで完結することはひとつもないから。始発点も終着点もいつだってライブハウスです」。

「大事なことだから何回も言う。俺たちはライブハウスで生まれて、ライブハウスで死んでいくバンドです。俺たちが帰る場所はライブハウスだけ。フェスは遊び。俺たちの人生を賭けた遊びに、2日間つきあってくれて、どうもありがとうございました!」。

今年もDEAD POP FESTiVALは最高だった。それを誰もが感じている瞬間だからこそ、それでも「ライブハウスが帰る場所だ」と明言することに意味があったのだろう。それが、SiMの筋の通し方であり、少し大袈裟な言い方をするなら、使命でもあるのだと思う。

さらに、アンコールで披露されたのは2曲。タイトルコールだけで怒号のような歓声が湧いた「JACK.B」と、昨日と同じく、フィールドのお客さんを真っ二つに割るウォールオブデスを起こした「f.a.i.t.h」だった。PRAISEYutaを呼び込み、MAHとのデスボイスの応酬の果てに辿り着いた絶頂を越えて、さらに、KoieCrossfaith)、Masatocoldrain)も乱入すると、もはや後先なんか考えず、ステージを全力で暴れまわる渾身のフィナーレ。最後にMAHが息を切らしながら、「運よく生き延びたやつ、来年も待ってるぞ。今日の俺らより、364日分かっこよくなってるからよろしく。帰れー!」と叫んで、2日間にわたるDEAD POP FESTiVALを締めくくった。そのあと、猪狩が出てきて、「写真撮るのを忘れてまーす!」というオチもついたが、それも含めて、最高。明日からは、また来年に向けて、さらにお互いがかっこよくなって、再会するための日々がはじまっていく。

M1.Get up, Get up
M2.Faster Than The Clock
M3.Blah Blah Blah
M4.新曲 feat.あっこゴリラ
M5.The Sound Of Breath
M6.CROWS
M7.KiLLiNG ME

ENCORE
En1.JACK.B
En2.f.a.i.t.h feat. Koie(Crossfaith) 、Masato(coldrain)、Yuta(PRAISE)

文 秦理絵
写真 スズキコウヘイ