混沌のなかで花開いたNOISEMAKERの真価

  • 2019年6月23日
  • 0623

さあ、遂に今年のDPFも終わりに近づいてきた。CHAOS STAGEのトリを務めるのはNOISEMAKER。2015年以来となる出演でこの出演順だ、メンバーとしても心中かなり燃えるものがあったはず。この4年の間に味わった苦労やら何やらを全てここにぶつける。そんな思いはサウンドチェックからもバリバリ感じられた。CAVEでCrossfaithのステージが終わるやいなや、「SADVENTURES」を驚くほど本域でカマし始めたのである。もう、この時点で本番での大爆発が期待できたし、実際その通りになった。

1曲目は最新アルバム『RARA』のリードトラック「NAME」。そして、「THIS IS ME」、「Something New」と畳み掛ける。「Something New」を鳴らす前、AG(Vo.)は「今日は音で突き刺す、音で引きずり込む」と宣言。確かにここまでの流れはその宣言どおり。HIDE(Gt)、YU-KI(B)、UTA(Dr)によるサウンドは鋭利でタイト。AGはステージ中央に設置されたモニターの上に堂々と立ち、フィールドの奥まで見渡し、もっともっとと観客を過剰に扇動する。その姿は彼を一回りも二回りも大きく見せた。

MCでは、この4年間は決してくすぶってたわけではなく、最強になるために最強の音楽を作って、全国津々浦々ライブをしてまわっていたとAGは話した。こんな話、もしかしたらする必要はなかったかもしれない。だって、ただくすぶってただけのバンドにこんなライブができるはずないから。テンションが高いだけじゃない。気持ちだけで攻めていたわけでもない。感情と技術の歯車がガチッと噛み合った状態。その歯車がさらに大きな歯車と連動して、とんでもない動力を生み出しているような状態。ライブ中盤にして、すでに異常かつ奇跡的な空間がCHAOS STAGEに生まれていた。

「今、この瞬間をメインステージにしてやる!」とAGが叫んだあとに放ったのは「Wings」。この曲をやるということは、登場するのはもちろんJESSE! AGは彼とともに客席へと飛び入り、観客の頭上でこのアンセミックな楽曲を完全に振り切ったテンションで歌い上げた。

本当になんなんだろう、今日のこの勢いは。平たく言えば、気持ちが乗ったライブ。しかし、その「気持ち」の重さたるや、一体どれだけのものだろうか。我々には想像がつかない。4人が発するひとつひとつの音、声、言葉からあらゆる思いが漏れ出ていた。観客もそれを肌で感じていたのだろう。一体感なんてものはとうに通り越し、本能に突き動かされるがままに暴れ倒していた。どこを切り取っても、気の抜けた瞬間はない。「フェスで見て気になったならライブハウスに来てほしい」とはフェスでよく聞かれるMCだが、今日のNOISEMAKERに関しては、もうここで完成していた。たった30分。たった30分ではあるが、それを物足りないと思わせないぐらいのパフォーマンスで4人は最後の「To Live Is」まで駆け抜けた。NOISEMAKERはさらにシーンを駆け上がるはず。そう確信できる素晴らしいライブだった。

今からちょうど1年前、某媒体で行われたAGとJESSEの対談で、AGは尊敬する先輩であるJESSEから「自分にしか咲かない花を咲かせろ」とアドバイスを受けていた。今日のCHAOS STAGEには、今までに見たことのない大輪の花が立派に咲いていた。

M1.NAME
M2.THIS IS ME
M3.Something New
M4.Wings feat.JESSE
M5.Flag
M6.To Live Is

写真 半田安政
文 阿刀“DA”大志