君が住んでた街で唄う「真赤」

DEAD POP FESTIVAL 2017 CHAOS ステージのトリを飾るのは、My Hair is Bad。サウンドチェックから、「ちょっと寄って行ってちょうだい。」と客席に声をかける。

一曲目は「告白」からスタートした。続いて「アフターアワー」とエネルギッシュなナンバーを連発。椎木は曲中「全員ドキドキさせてやる。」「SiMぶっ倒す。」と気合の入った言葉を叫び、感情を剥き出しに熱を放出していく。

陽も傾き、夕焼けの色がステージを染める頃。椎木が語り始めた「昔、好きな子が居たんだけど、川崎に住んでました。その時の曲を歌わせてください。」その曲とは、彼らのブレイクスルーとなった名曲『真赤』だった。「君が住んでた街で!」と、自身の過去の恋愛を回想しながら、赤裸々に想いをさらけ出して歌う切ないラブソングが痛いほど胸に突き刺さった。

「クリサンセマム 」では、より攻撃的に「男!何してんだ!男!女の子はかわいい!男!何してんだ!ビビってんじゃねぇぞ!最後だぞ!」と煽る。男には手厳しいが、女の子には優しい。

また、今日のライブ中は終始、「SiMぶん殴りに来ました。」「SiMより良いライブをする!」とSiMへ挑む姿勢を見せていた。

4曲を終えるとバンドはMCヘ。「いろんな先輩が背中を見せてくれる。でも一番背中を見せられたのは、 MAHさんが綺麗な嫁をもらったこと。都合いい時だけ悪魔悪魔言いやがって!インスタグラム載せやがって!鎌倉で食べ歩きしてる場合じゃねぇ。コウモリとか食え。」客席からは大きな笑いが起こった。

「でも、生意気言ってるだけじゃSiMはかまってくれない。それでもいい。何回でも言ってやるSiMを倒しにきました。俺らが120%を出せば、SiMがアガる。」ただ訳もなく、噛み付いているわけではないことは明らかだった。確かなリスペクトが伝わる。

ここからは、「ディアウェンディ」、「フロムナウオン」という流れなのだが、椎木から溢れ出る言葉が止まらない。「曲やろうと思ったけど、気持ちがぶれちゃっていろんな言葉が出てきている。」そう言うように曲の切れ目も曖昧に演奏を続けながら、アドリブで歌詞やメロディをところどころ変え、一人語りのように湧き上がる熱い気持ちを独白していく。観客はその言葉たちに聞き入り、彼らの世界にぐいぐいと引き込まれていった。

様々なスタイルのアーティストが居るが、やはりミュージシャンは熱いメッセージやステートメントのある人間であって欲しいもの。言いたい事が山ほどあり、胸を打つような台詞を聞かせてくれるのだから、MCが長いと感じることはなかった。あっという間に時間は過ぎていく。

「PVにもなってない曲をやります。」と最後は「夏が過ぎてく」をしっかりと歌い上げ、熱の込もったエモーショナルな姿勢に、オーディエンスはリフトやクラウドサーフで応えた。

曲が終わると一言。「SiMへ走れ!」。こうして幕を閉じたCHAOS ステージ。最年少バンドの熱演は、最高の形でSiMへバトンを繋げたのではないだろうか。そして、My Hair is Badも確かな爪痕を残した。

 

【SET LIST】
01.告白
02.アフターアワー
03.真赤
04.クリサンセマム
05.ディアウェンディ
06.フロムナウオン
07.夏が過ぎてく

取材・文:ニッセン シュウ
写真:Kohei Suzuki