音楽は娯楽、ロックは命、DPFは出会いの場。

ラストを飾るは、我らがSiM。今年で8年目のDPF、彼らの地元・神奈川の会場での開催は、3年目になる。SEのサイレン音と共に、前列に詰め寄るパンクキッズたちは続々と肩車をして互いを挑発し合いながら気持ちを高めてゆく。SHOW-HATE(Gt.)、SIN(Ba.)、GODRi(Dr.)の順に一人ずつ登壇してそれぞれの位置につくと「PANDORA」のイントロが鳴り始めた。ステージ下手より堂々と胸を張って現るは、本フェスの首謀者・MAH(Vo.)だ。続く「Blah Blah Blah」では、持ち前の妖艶な腰つきで観る人を魅了した。

「DEAD POP FESTiVAL 2017、楽しんでますか?!ん?甘ぁ~い!!」と、初っ端から声援にダメ出しするMAHに、何くそと呼応するオーディエンス。その中には、MAHの格好を真似たシャツとネクタイ姿で参戦している男子が何人もいた。MAHのカリスマ性の大きさを実感させられる。赤と緑の光が交差するステージングは、レゲエのシンボルカラーを彷彿とさせていた。「音楽は娯楽かもしれないけれど、ロックは命です!ロックって言葉、適当に使ってほしくない!」と強いロック精神を語った後、新曲「NO SOLUTiON」をお見舞いした。「最後まで残ってくれてありがとう。みんなに助けられました。フェスはゴールではない。かっこいいバンドと出会う場所です。」今日を迎えられたことへの感謝を述べる。「夢を語るのが恥ずかしいとか思わないでください。みんなが今立っているこの場所は、俺が築き上げたもので、俺の夢だった場所。夢は、口に出すもの。自分を信じてください。」成功者の口から出る言葉の一つ一つが胸に突き刺さる。

とは言え、今日という日を笑顔で迎えるために、彼は幾度の苦労を経験しているはずだ。次に披露した「Rum」での、巧みに「苦しみ」を表現するパフォーマンスを見れば納得だ。自分の弱い部分を曝け出すかのような身振り手振りが生々しく、その楽曲が持つ意味を考えさせられた。「俺たちの夢に付き合ってくれてありがとう!最後、楽しんでくれ!」と「JACK.B」でぶち上げて本編が終了。

鳴り止まないアンコールに応えて再度ステージに現れたSiM。まずは、出演アーティスト全員での写真撮影を済ませ、「セキュリティーの皆さん、最後までよろしくお願いします!」と注意を払いながらお待ちかねの「KiLLiNG ME」と、「f.a.i.t.h」の凄まじいウォール・オブ・デスを目の当たりにし、DPF初日の幕が閉じた。

今日を迎えるまでにMAHは、地元・神奈川での開催について「1年目は開催することにすべてを注ぎ、2年目は続けていくモチベーションの難しさを痛感し、今年はやっと自分らが楽しめるのかな」と口にしていたが、果たして明日のこの時間を迎える時にはそれを叶えられているだろうか。兎にも角にも、日本を担うレゲエパンクの真骨頂を、この目に焼き付けたのだ。

【SET LIST】
01.PANDORA
02.Blah Blah Blah
03.TxHxC
04.paint sky blue
05.NO SOLUTiON
06.in the rain
07.Rum
08.JACK.B
En1. KiLLiNG ME
En2. f.a.i.t.h

取材・文:羽村萌
写真:Yasumasa Handa